麻酔科勤務医のお勉強日記

・体外循環（ECC）を用いた心臓手術（CS）では、強い酸素化ストレス（OS）と全身性炎症反応（SIR）が誘発され、術後の肺機能に重大な影響を及ぼす可能性がある。著者らは、手術開始後 48 時間以内に高用量のビタミン C（VitC）を 1 日 1 回非経口投与（200mg/kg/24 時間）することで、CS 患者の術後肺合併症（PPC）の…

・麻酔は病院の二酸化炭素排出量に大きく寄与している。気候に配慮した行動は、温室効果ガスの排出を削減する可能性がある。医療従事者が持続可能な行動をとるための前提条件は、知識と意識である。著者らは、全麻酔科医が日常臨床で取り組む可能性がある 3 つの領域について、教育的介入の前後における麻酔科医の気候変動に配慮した行動の変化を評価することを…

・最近の術前食事のガイダンスでは、固形物は麻酔の 6 時間前まで、透明な水分は麻酔の 2 時間前までとされている。帝王切開に対するこのアプローチを支持する臨床試験エビデンスは不足している。多くの医療従事者は、特に妊婦の場合、深夜から手術時まで摂取しないという保守的な方針に従い続けている。本研究の目的は、脊椎麻酔下での予定帝王切開の術前経…

【問題1】（中枢神経） 脊髄下端はどのレベルか？ 1) Ｌ２ 2) Ｔｈ１２ 3) Ｌ３ 4) Ｌ４ 5) Ｓ２ 　　　　▼ 　　　　▼ 　　　　▼ ［解説］ 成人における脊髄の下端レベル＝Ｌ１〜Ｌ２、以下は馬尾となる…

・術前の包括的老年学的評価（CGA）と術中の麻酔介入の結果を評価することで、術後認知機能低下（POCD）の危険因子を特定することを目的とした。 ・本研究で用いたデータは、2019 年 3 月から 2022 年 6 月の間に首都医科大学宣武病院整形外科で募集した Aged Patient Perioperative Longitud…

【問題1】（心臓・血管） 大動脈閉鎖不全症で、左室拡張末期径が（　　）mm以上の拡大を示す場合には、手術を考慮すべきである。 1) ９５ 2) ８５ 3) ７５ 4) ６５ 5) ５５ 　　　　▼ 　　　　▼ 　　　…

・ 本研究の目的は、喉頭鏡検査と挿管開始に対する血行動態の反応を、直視型喉頭鏡検査とビデオ補助喉頭鏡検査のいずれかで比較することである。 ・この二重盲検臨床試験は、全身麻酔下での帝王切開を希望する妊婦 90 人を対象に行われた。参加者は 2 群に分けられた。第 1 群では、直視型マッキントッシュ喉頭鏡を用いて挿管を行った（MCL …

【問題1】（麻酔科学用語） コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 （１） (g______) (p___) : さしこみ痛 （２） (a_____) (c__________) : 気道コンダクタンス （３） (___________e) : 喉頭鏡 （４） (a___________) (a_____…

・Quality of Recovery-15（QoR-15）は、予定手術後の術後回復を調査するために検証されたツールであるが、緊急時の状況において心理測定的に評価されたことはない。さらに、QoR-15 と長期的な転帰との関連はまだ十分に検討されていない。本研究では、緊急手術後の QoR-15 の妥当性と信頼性を確認し、術後 3 ヵ月の…

【問題1】（溺水・中毒・体温） 自殺目的で大量服用した場合にもっとも危険である向精神薬はどれか？ 1) 抗そう薬 4) 抗不安薬 2) 睡眠薬 5) 抗うつ薬 3) 抗精神病薬 …

・患者の術中および術後の低体温は、麻酔薬の使用や介入手術の複雑で時間のかかる手順によって引き起こされる可能性がある。 この後ろ向き研究には、2023 年 1 月から 10 月までに中国の単施設で術中麻酔中の低体温症の発生率と関連要因を調査するために 184 人の患者が対象となった。 ・便宜的サンプリング方法を使用して、2023 年…

【問題1】（出血と輸血） 正しいのはどれか？ ア：特定生物由来製品を使用した場合は、薬事法で、記録を作成し10年間保存することが義務付けられている。 イ：生理的な止血効果を期待できる最少凝固因子活性は、正常値の20〜30％程度である。 ウ：ヘパリン起因性血小板減少症（Heparin induced thrombocytop…

・研究の目的は、腹腔鏡下子宮摘出術を受ける患者において、気管チューブ（ETT）を用いた全身麻酔とラリンジアルマスク（LMA）を用いた全身麻酔の周術期有害事象を比較することであった。 ・これは大規模サンプルの後ろ向きの傾向スコアマッチ（PSM）研究である。中国の当該施設で 2016 年 1 月から 2021 年 6 月の間に腹腔鏡下…

・乳癌は女性に最も多い癌の一つである。全身麻酔は乳癌手術によく用いられる麻酔法であり、全身麻酔が乳癌患者の免疫抑制を導入し、腫瘍の転移率を上昇させることが研究で確認されている。しかし、静脈内全身麻酔と吸入麻酔の T リンパ球機能への影響の差についてはまだ議論の余地があり、手術や麻酔による免疫抑制を軽減するための合理的な麻酔法を模索する必…

・セボフルラン、イソフルラン、デスフルランなどの揮発性麻酔薬は全身麻酔（GA）の維持に広く使用されている。自律神経系に対する作用はそれぞれ異なり、血糖恒常性に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、非糖尿病患者の非心臓手術において、3 種類の揮発性薬剤を用いて GA を施行し、術中の血糖値を比較した。 ・無作為化単盲検並行群間試験で…

【問題1】（麻酔科学用語） コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 （１） (f______) (f___) : 顔面紅潮 （２） (__________s) : 斜頚 （３） (p________________) (s_______) : 蘇生後症候群 （４） (p___) (o_) (p______…

・周術期のアナフィラキシーはまれであるが、重大な罹患率を伴う。この合併症は、その研究に焦点を当てたネットワークである GERAP（Groupe d'Etude des Reactions Anaphylactiques Perioperatoires）によってフランスでよく報告されている。周術期アナフィラキシーの疫学は、環境因子や臨床実…

【問題1】（外傷・出血・感染） 出血に対する補いとして最も優先度の高いものはどれか？ 1) 凝固因子 3) 赤血球 5) アルブミン（血漿蛋白） 2) 血小板 …

・気管挿管は通常手術室で直視型喉頭鏡を使って行われる。ビデオ喉頭鏡は気道の可視化を改善することが報告されている；しかしながら、可視化の改善により手術患者における挿管の試技数が減少するかどうかは不明である。本研究の目的は、初回の喉頭鏡検査をビデオ喉頭鏡と直視型喉頭鏡のどちらで行った場合に、手術手技ごとの挿管試行回数が少なくなるかを明らかに…

・低血圧は帝王切開分娩の脊椎麻酔中によくみられる。予防戦略には輸液とフェニレフリンがある。予防的にフェニレフリンを注入する場合、輸液の省略は心拍出量の維持において輸液併用に劣らないという仮説を立てた。もし差があるとすれば、心拍出量の増加は負荷なし群の方が負荷併用群よりも大きいだろうと仮定した。 ・待機的帝王切開分娩が予定されている…