麻酔科勤務医のお勉強日記

・気管チューブ・イントロデューサーは気道管理ガイドラインで推奨されており、ビデオ喉頭鏡が普及するにつれてますます使用されるようになっている。この系統的レビューは、気管チューブ・イントロデューサーに関連した気道外傷に関する発表文献を要約することを目的とした。 ・PubMed、EMBASE、CINAHL データベースを事前に設定した基…

【問題1】（産婦人科領域の麻酔） 妊婦における硬膜外麻酔について正しい記述はどれか。 ア：血圧低下が起きた場合には子宮を左方に移動させる。 イ：局所麻酔薬必要量は非妊娠時に比べて少なくてすむ。 ウ：硬膜外腔にフェンタニールを注入することがある。 エ：帝王切開を行うためにはＴ８まで無痛レベルがあればよい。 　　　　▼…

・エフェドリンとフェニレフリンは血圧を安定させるだけでなく、局所脳酸素飽和度（rSO2）にも異なる影響を及ぼす。しかし、 rSO2 への効果が術後せん妄（POD）の発生に影響するかどうかは不明である。そこで本研究の目的は、全身麻酔下で人工膝関節置換術を受けた高齢者において、POD の発生率に対する血圧維持のためのエフェドリンとフェニレフ…

【問題1】（麻酔科学用語） 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。 （１） DCM （２） IRBBB （３） ALI （４） ARF （５） ALS ［解答］ （１）dilated cardiomyopathy：拡張型心筋症（２）incomplete ri…

・術中人為的低血圧（低血圧麻酔）は、出血量を減少させることで術野の可視性を改善するが（有効性）、臓器低灌流に関連する潜在的リスクをもたらす（安全性）。術中の不注意による低血圧と有害転帰との関連性を示すエビデンスが増加しているにもかかわらず、管理された低血圧の使用は続いている。そこで著者らは、麻酔科と外科の研究者間で優先順位が異なるため、…

・食道癌の手術は、術後肺合併症（PPC）などの合併症の周術期リスクが高い。術後鎮痛はこれらのリスクに影響を及ぼす可能性があるが、最も好ましい鎮痛法は議論されている。本総説は、食道切除術を受ける患者において、胸部硬膜外鎮痛（TEA）が他の鎮痛法と比較して有益かどうかについて最新の評価を提供することを目的とする。著者らの仮説は、食道切除術後…

・男性外科医と女性外科医の診療パターンの差は、外科領域における偏見や男女不平等の原因であり、おそらく医療の質に影響を与えている可能性がある。しかし、外科医の性別と術後転帰との関連に関する研究は限られており、矛盾している。本研究の目的は、外科医の性別と、待機的手術における 30 日死亡および再入院を含む術後早期合併症との関連を検討すること…

・帝王切開はしばしばさまざまな望ましくない術後転帰と関連している。術後の急性疼痛は、実際の組織損傷の結果として生じる、最も頻繁に経験される有害転帰の一つである。これまでの研究では、急性術後痛の有病率や予測因子に関して一貫した結果が得られていない。そこで本研究では、帝王切開後の術後疼痛の有病率と関連因子をプールして評価することを目的とした…

■ Top 100 Secrets ■With the exception of antagonists of the renin-angiotensin system，and possibly diuretics，antihypertensive therapy should be given up to and includin…

・著者らは、低侵襲結腸手術における低圧気腹（LPP）の有効性と安全性を評価することを目的とした。 ・PubMed、Scopus、Google Scholar、clinicaltrials.gov を検索し、PRISMA に準拠した系統的レビュー/メタ分析を行った。有効性のアウトカム［麻酔回復室（PACU）での疼痛スコア、術後 1 …

【問題1】（体液・電解質） 低浸透圧性低ナトリウム血症をきたすのはどれか？ 1) Ａｄｄｉｓｏｎ病 3) 多発性骨髄腫 5) 高血糖 2) マクログロブリン血症 …

・手術患者と病院は、新しい麻酔薬、機器、手技の開発の結果、直接的な麻酔需要による財政的負担に直面している。現在、病院の薬局予算の最大 15% が麻酔薬費に割り当てられている。麻酔診療中の薬剤の浪費は、麻酔薬不足だけでなく、手術室の効率の悪さにもつながる、隠れた医療浪費の原因として広まっている。一方、薬剤の浪費は大半の症例で予防可能である…

【問題1】（呼吸） メトヘモグロビンが存在する場合、真の酸素飽和度が７０％であるとき、パルスオキシメータではどう表示されるか？ 1) 真の値（７０％） 3) 高く表示される。 5) −−−− …

・産科出血は依然として世界的に妊産婦死亡の大部分を予防可能な原因である。フランスでは、出血関連妊産婦死亡率に対する子宮弛緩症の寄与は減少しているが、帝王切開時の外科的損傷など他の産科出血原因の寄与は増加していると報告されている。しかし、この出血が原因で死亡した女性の危険因子とケアプロセスに関するエビデンスはほとんど存在しない。そこで著者…

【問題1】（呼吸） 高炭酸ガス許容法（permissive hypercapnia）を施行するにあたっては、auto-PEEPを生じないように換気回数は成人で（　）以下とすべきである。 1) ２５ 2) １５ 3) ２０ 4) ３０ 5) １５ …

・覚醒時興奮は全身麻酔からの意識出現に伴う小児の一過性の錯乱状態であり、一般に術後に起こり、回復を遅らせ、外傷にさらす。本研究の主な目的は、エチオピアのアディスアベバにある聖パウロ病院ミレニアム医科大学の小児手術患者を対象に、覚醒時興奮の程度、その介入および関連因子を調査することである。 ・2022 年 6 月 1 日〜 10 月…

【問題1】（肝・腎・消化管） 超音波エコー像において、腹壁や横隔膜、臓器皮膜に特徴的なものはどれか？ 1) ライン状エコー 3) 多重反射 5) 音響陰影 2…

・これまでの研究で、喫煙者では全身麻酔の持続時間が短いことが示されているが、喫煙者の区域麻酔については不明である。著者らは喫煙の有無と区域麻酔の持続時間との関連を検討した。 ・2021 年 1 月から 2022 年 6 月の間に区域麻酔下で下肢整形外科手術を受けた平均年齢 47.3 歳の患者 77 名を登録した。16 例が喫煙者、…

・術後の疼痛管理は、鎮痛処置中の補助薬によって達成する可能性がある。本研究では、帝王切開分娩の脊椎麻酔におけるデキサメタゾン-ブピバカイン併用療法とブピバカイン単独療法の効果を検討した。 ・本無作為二重盲検臨床試験には、以前に帝王切開をきたした女性 50 人が対象となった。参加者は無作為に 2 つのカテゴリーに割り付けられた：介入…

・硬膜穿刺後頭痛（PDPH）は、腰椎穿刺、硬膜外鎮痛、脊髄幹麻酔後に頻繁に起こる合併症である。国際頭痛分類第 3 版では、PDPH は自己限定性の病態に分類されている。しかし、著者らの所見を含む新たなエビデンスは、PDPH が長期経過をたどる可能性を示唆しており、この従来の見解に疑問を投げかけている。本研究の目的は、持続性 PDPH（p…