麻酔科勤務医のお勉強日記

・高リスクの急性肺塞栓症（PE）は重大な死亡率と関連しており、緊急の気管挿管と人工呼吸を必要とすることがある。気管挿管と人工呼吸は心肺の不安定性を悪化させると考えられている。著者らの目的は、急性 PE における挿管前後のイベントを調査した研究を特定するために系統的な文献レビューを行うことである。 ・Medline、Embase、W…

・変形性関節症（OA）は関節を含む慢性的な衰弱状態であり、最終的には慢性疼痛、可動域制限、関節の機能障害を引き起こす。末期 OA に対する最も標準的な治療は人工関節置換術である。人工関節置換術後、患者は術後に耐え難い痛みに襲われることがある。本研究では、人工関節置換術を受けた患者を対象に、治癒期間中の術後疼痛と膝関節可動域に関する多剤併…

・鎖骨骨折に対するプレート固定術後のインプラント抜去は、全身麻酔下での手術数が限られているため、局所麻酔下で行われることが多い。しかし、局所麻酔と全身麻酔のどちらが望ましいかは不明である。そこで、鎖骨骨折術後に局所麻酔または全身麻酔でインプラント除去手術を受けた患者を対象にアンケート調査を行い、それぞれの手術に対する印象と、今後プレート…

・レミマゾラムは新規の超短時間作用型ベンゾジアゼピンであり、最近プロポフォールに代わる全身麻酔薬として導入された。両薬剤は安全性と有効性の点で比較されているが、術後の回復の質（QoR）に対する相対的な効果は不明なままである。そこで本メタ分析では、全身麻酔を受けた手術患者において、主観的 QoR に対するレミマゾラムとプロポフォールの効果…

・慢性腎臓病（CKD）は大手術の高い発生率と関連している。術前の腎機能と術後の転帰との関連を幅広い術式にわたって評価した研究はない。著者らは外科の専門分野横断的に CKD と術後 30 日の転帰との関連を評価することを目的とした。 ・8 つの専門分野で手術を受けた成人患者を抽出した。主要評価項目は主要合併症とし、術後 30 日以内…

・肺リクルートメント操作（LRM）は腹腔鏡手術後の術後疼痛を軽減することが示されている。本研究では、LRM と腹腔鏡下胆嚢摘出術後の肩痛発生率との関連を検討することを目的とした。 ・2022 年 7 月から 2023 年 3 月までに待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた患者 110 例を対象に無作為化比較試験を実施した。参加者は、ルー…

・帝王切開分娩（CD）における全身麻酔（GA）の使用は、挿管困難と失敗の両方のリスクをもたらす。このリスクを軽減するために様々な戦略が利用されるが、すべてがエビデンスによって裏付けられているわけではない。著者らは、CD における気道管理に特化した 3 つの推奨事項の実施後の挿管困難率を分析した。 ・2013 年 1 月から 202…

【問題1】（胸部手術の麻酔） 肺血管抵抗を上昇させるのはどれか。 ア：低酸素症 ウ：アシドーシス イ：高二酸化炭素症 エ：低体温 …

・術後の回復の質は周術期医療において極めて重要な側面である。このメタ分析は、有効な QoR 尺度によって測定される、術後の回復の質（QoR）の改善におけるステロイド静注の有効性を評価することを目的とした。 ・全身麻酔の補助としてのステロイドの単回静脈内投与を使用した手術を受ける成人患者を対象とした、無作為化比較試験（RCT）のメタ…

・重症成人患者の挿管における喉頭鏡検査の最適なアプローチに関する不確実性を考慮し、救急部および ICU 患者の挿管におけるビデオ喉頭鏡検査（VL）と直視型喉頭鏡検査（DL）を比較するために、系統的レビューとメタ分析を実施した。 ・重症成人患者を対象とした無作為化比較試験（RCT）を対象として、MEDLINE、PubMed、Emba…

・周術期の呼吸器有害事象は、小児麻酔において重大な課題をもたらし続けている。プロポフォールで麻酔された小児では、セボフルランよりもこれらの合併症の発生率が低いことが研究で示唆されている。本研究では、手術中にセボフルランまたはプロポフォールで全身麻酔を受けた小児の呼吸器合併症を評価し、比較することを目的とした。 ・系統的レビューとメ…

・腹腔鏡下子宮全摘術（LH）では、気腹（PP）による腹腔内圧および胸腔内圧の上昇により頭蓋内圧（ICP）が上昇する。トレンデレンブルグ体位（TP）は、それを強調する要因である。本試験では、リドカインの静脈内注入が、PP および TP 中の ICP の代用指標として広く受け入れられている視神経鞘径（ONSD）に及ぼす影響を評価することを目…

【問題1】（体液・電解質） ｐＨ０．１の変化でカリウムはどれくらい変動するか？ 1) １．５mEq 3) ０．８mEq 5) ０．５mEq 2) ０．２…

・ 筋弛緩薬（NMBA）は、声門上器具（SGA）を使用している患者の全身麻酔導入時には通常必要ない。本研究では、SGA を用いて全身麻酔を受ける成人患者におけるロクロニウムの使用頻度を評価した。 ・2022 年 9 月から 2023 年 8 月にかけて、SGA を用いて整形外科手術を受けた成人患者（年齢 19 歳以上）の診療記録を…

【問題1】（心臓・血管） ジゴキシン（ジゴシン）の総飽和量はどれくらいか？ 1) ２〜４mg 3) ０．２５mg 5) ０．７５〜１．０mg 2) ０．３〜０．５mg …

・気管挿管は麻酔診療において頻繁に行われる手技であり、カフを正しく膨張させることは気道シールを維持するために不可欠である。気管チューブ（ETT）カフの過膨張は、術後の咽頭痛などの合併症につながる可能性がある。本研究では、待機的腹腔鏡下腹部手術において、生食と空気による ETT カフ圧上昇の発生率を比較することを目的とした。 ・本研…

【問題1】（呼吸） 酸素解離曲線を左方移動させるものはどれか？ 1) ＣＯヘモグロビン 3) ｐＨ減少 5) 2・3DPG増加 2) 温度上昇 …

・救急外来を受診した小児の外傷に対しては、迅速な鎮痛が重要であるが、疼痛コントロールの努力はしばしば不十分である。鎮痛剤の経鼻投与は、最小限の不快感で迅速な鎮痛を提供する。オピオイドは歴史的に外傷による重大な疼痛に使用されてきたが、副作用が問題であった。ケタミンの経鼻投与は効果的な代替手段となりうる。本研究の目的は、急性四肢損傷を呈した…

■ これって常識？ ■副腎皮質機能低下症では，ストレス時にはグルココルチコイドを増量せよ！ 1）副腎皮質機能低下症では，発熱などの軽度のストレスでもストレスに応じたステロイドホルモンの分泌量が得られないため，容易に急性副腎不全に陥りやすい． 2）患者には，以下のように指導しておく．発熱＞３７度→１.５倍、発熱＞３８度→２倍、手…

・救急部（ED）での整形外科手術における疼痛管理は、手術室で行われる骨折整復を減らすために極めて重要である。本研究では、小児外傷センターにおける骨折整復時の疼痛管理について、フェンタニル経鼻投与（INF）とモルヒネ経口投与を比較した。 ・外傷センターの小児 ED において、レントゲン写真で転位閉鎖骨折が確認され、ED 内で整復とギ…