麻酔科勤務医のお勉強日記

・著者らは、低用量のモルヒネクモ膜下投与（ITM）を受けた患者は、帝王切開分娩後の術後オピオイド消費量が多いという仮説を立てた。 ・2022 年 2 月 15 日から 2024 年 2 月 14 日までに Baylor Scott & White Medical Center - Temple で単回注入脊椎麻酔または脊椎硬膜外併…

・脊椎麻酔または脊椎硬膜外併用麻酔下で帝王切開分娩を受ける分娩患者において、胎児-母体転帰に及ぼすフェニレフリンのボーラス投与と予防的持続注入を比較するために、系統的レビューとメタ分析を実施した。 ・Medline、Embase、Cochrane、および米国の臨床登録データベースを検索した。フェニレフリンのボーラス投与（治療的およ…

・経カテーテル大動脈弁植え込み術（TAVI）を受ける患者の安全な周術期管理は極めて重要である。レミマゾラムは新しく開発された短時間作用型ベンゾジアゼピンである。著者らは、TAVI のために全身麻酔を受ける患者において、レミマゾラムとフルマゼニルを併用することで、セボフルランと比較して覚醒時間が短縮されるという仮説を立てた。 ・20…

・研究の目的は、甲状腺手術を受ける女性患者の抜管による咳嗽予防におけるレミフェンタニルの EC50 に及ぼすリドカイン静注の影響を Dixon の逐次法で評価することであった。 ・待機的甲状腺摘出術を受けた女性患者 50 名を無作為に 1：1 の割合で 2 群に分けた。L 群（リドカイン群）にはリドカイン（1.5mg/kg）を静…

・新規の超短時間作用型ベンゾジアゼピンであるレミマゾラムは手技的鎮静薬として有望である。本研究では、大腸内視鏡検査を受ける高齢患者において、レミマゾラムとプロポフォールの認知回復を比較した。 ・本前向き無作為化二重盲検比較試験では、外来で大腸内視鏡検査を受ける年齢 65 歳以上の患者 228 人を募集した。患者はスフェンタニル 0…

【問題1】（心臓・血管） 偽性心室頻拍に対して、まず使用する薬物はどれか？ 1) ＶＷ分類 IV 群（ワソラン） 3) ＶＷ分類 II 群（インデラール） 5) ジギタリス 2) ＶＷ分類 I ｂ群（キシロカインなど） …

・気道確保困難は多くの場面で頻繁に遭遇する。その極端な形態が「挿管も酸素化もできない（CICV）」シナリオであり、信頼できるレスキュー手技が欠如している。これまでの症例報告やサンプル数の少ない研究では、咽頭内気管チューブ（TTIP）による人工呼吸の実行可能性と効率が示されている。著者らは、TTIP による人工呼吸はマスク換気失敗時の有効…

【問題1】（麻酔科学用語） 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。 （１） Ccr （２） ERV （３） PSVT （４） APB （５） COPD ［解答］ （１）creatinine clearance：クレアチニンクリアランス（２）expirator…

当ブログの記事として、『Ｑ：点滴ルートのエア抜き「クランプミルキング法」とは？』、また、自著「麻酔パワーアップ読本エッセンシャルズ」内で「輸液が点滴筒以下に落ちてしまったときの対応：クランプ・ミルキング法」が、 （株）日本看護協会出版会から書籍 『看護の沼にハマる② ハヤピンPresents 採血・静脈ルート確保』 ・発行予定日…

・音楽療法は、特に術前の不安を軽減するのに役立つ安全で非薬理学的な方法である。音楽療法は神経系を落ち着かせ、緊張緩和を促し、外部の雑音を遮断して痛みから気をそらすことで安らぎを与える。これは、術前の不安や、高血圧や頻脈などの症状の管理に役立ちます。ストレスや鎮静に対する音楽療法の効果はよく知られているが、脊椎麻酔を受ける患者に対する具体…

【問題1】（呼吸） 成人の換気を維持するには最低内径何ミリの気管内チューブが必要か？ 1) ２mm 2) ４mm 3) ３mm 4) ５mm 5) ６mm 　　　　▼ 　　　　▼ 　　　　▼ ［解説］ 成人の換…

・スガマデクス投与時の麻酔深度に基づく非正規化加速筋電図神経筋モニタリングの成功率と回復プロファイルを比較することを目的とした。 ・全身麻酔を受ける患者を前向きに無作為に 2 群に割り付けた。BIS60 群では、バイスペクトル指数（BIS）＜60 のときにスガマデクスを投与し、四連反応比（TOFr）≧1.0 が得られるまで麻酔を維…

【問題1】（感染症、免疫抑制患者への注意） 非Ａ非Ｂ肝炎について正しい記述はどれか。 ア：輸血後肝炎の９０％は非Ａ非Ｂ肝炎である。 イ：フィブリノーゲン製剤のようにプールされた血液製剤による感染率は２０−３０％である。 ウ：激症化することはまれである。 エ：Ｃ型肝炎ウイルス抗体が陰性なら、非Ａ非Ｂ肝炎は否定できる。 …

・この総説の目的は、比較的新しい静脈麻酔薬であるプロポフォールの乱用と中毒の可能性に関する既存の研究を評価し、プロポフォール中毒の神経生物学的および神経薬理学的側面を説明することである。 ・脳内の複雑なプロセスに関連するいくつかの神経生物学的因子が、プロポフォールの乱用と中毒に影響している。この総説では、実験的研究と臨床的研究の両…

【問題1】（呼吸管理） 陽圧呼吸による血圧変動が大きいのはどれか． ア：循環血液量減少 ウ：一回換気量増加 オ：−−−− イ：肺コンプライアンス低下 エ…

・後ろ向き研究は、揮発性吸入麻酔薬が癌手術中に使用された場合、転移リスクの増加および生存率の低下に寄与する可能性を示唆している。この関係は、腫瘍生物学な差や手術手技の差により、癌種によって異なる可能性がある。本研究の目的は、2014 年から 2019 年の間にスウェーデンで全身麻酔下で切除手術を受けたステージ 1〜3 の大腸癌患者におい…

・新鮮ガスフロー（FGF）を低下させることは、FGF 値が麻酔ガス廃棄の間接的な指標として機能するため、手術室の二酸化炭素排出量を減少させるのに役立つ。この質改善プロジェクトの目的は、単施設において、電子カルテ（EHR）内の臨床判断支援（CDS）ツールを用いて、全身麻酔中の臨床医の FGF を減少させることであった。 ・FGF を…

・麻酔後の筋弛緩（NMB）の残存は患者に重大なリスクをもたらすが、これは NMB の投与、モニタリング、および拮抗についてエビデンスに基づいた実践を遵守することで軽減できる。日常診療へのベストプラクティスの導入は、医療提供者や施設によってばらつきがあるため、効果的な導入戦略が必要である。 ・学際的な質改善イニシアチブは、大規模な複…

【問題1】（麻酔科学用語） コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 （１） (m__________) : 医療過誤 （２） (p_____) (b____) : 陰茎ブロック （３） (_______n) : 溶液 （４） (d_______) (p____) : 重複脈 （５） (r____) (a…

・周術期で頻繁に使用される速効性オピオイドであるフェンタニルは、従来 100μg または 250μg バイアルで包装されていた。2021 年 9 月、当施設では手術室でフェンタニル 100μg バイアルから 50μg 充填済みシリンジへの変更を実施した。本研究の目的は、フェンタニルの製品変更が、手術中の薬剤廃棄物およびフェンタニル投与量…