麻酔科勤務医のお勉強日記

Ａ：欧州グリーンディールとは、EU が掲げる持続可能な経済・環境政策の総合戦略です。この計画は、気候変動への対応と経済成長を両立させることを目的としており、以下のような主要な取り組みを含んでいます。 ・気候中立の実現 2050 年までに EU 全体で温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指しています。 ・クリー…

Ａ：デスフルラン（Desflurane）は、吸入麻酔薬の一種ですが、地球温暖化への影響が懸念されています。デスフルランの温室効果は二酸化炭素（CO₂）よりもはるかに高く、EU を含む多くの国々でその使用制限が進められています。 EU におけるデスフルランの使用制限 EU では、環境負荷の観点からデスフルランの使用を制限する動きが…

Ａ：デスフルランは環境負荷という観点から非常に問題視されています。以下、その主な理由をまとめます。 1. 極めて高い温室効果 デスフルランは、CO₂ 換算で非常に高い地球温暖化係数（Global Warming Potential：GWP）を持っています。すなわち、同量を使用した場合、他の揮発性麻酔薬（例：セボフルラン）に比べて…

・フッ素化炭化水素化合物という化学的性質から、揮発性麻酔薬は非常に強力な温室効果ガスであり、中でもデスフルランは CO2 換算（CO2e）フットプリントが圧倒的に大きい。日常臨床では、プロポフォールやセボフルラン、低流量・最小流量の手技の使用を増やしたり、区域麻酔手技をより頻繁に使用したりすることで、CO2e フットプリントを容易に減ら…