CABG患者の術後認知機能障害に与えるプロポフォール、デスフルランの影響

The influence of propofol or desflurane on postoperative cognitive dysfunction in patients undergoing coronary artery bypass surgery
Anaesthesia first published online: 18 APR 2011

認知症.png・冠状動脈バイパス手術を受ける患者180人の無作為試験で、術後認知機能障害の発病率に与える、プロポフォールとデスフルランの影響を調査した。

・一次転帰は、3ヵ月後の術後認知機能障害の発病率で、12の神経認識テストのうち2つ以上が≧1SD悪化した場合と定義された。二次転帰は、術後早期の認知機能障害(術後3~7日)、術後第1日目のせん妄、合併症率と在院期間などであった。

・術後早期の認知機能障害発生率は、プロポフォールでは、デスフルランよりも有意に高かった(それぞれ、56/84(67.5%) vs 41/83(49.4%);p=0.018)が、この効果は、3ヵ月後には見られなかった(それぞれ、10/87(11.2% vs 9/90(10.0%))。せん妄(それぞれ、7/89(7.9%) vs 12/91(13.2%)、在院期間(それぞれ、中央値(IQR[範囲])7(6-9[4-15]) vs 6(5-7[5-16)日)、その他の合併症には差がなかった、

・デスフルランは、早期の認知機能障害の減少と関係していた。

[!]:理論的に考えて、どうしたって静脈麻酔薬の方が作用が術後長く遷延する危険性が高いもんね。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック