セプシス・サバイビング・キャンペーン:重症セプシスをターゲットとした国際ガイドラインに沿った治療効果

The Surviving Sepsis Campaign: Results of an international guideline-based performance improvement program targeting severe sepsis
Critical Care Medicine: February 2010 - Volume 38 - Issue 2 - pp 367-374

・Surviving Sepsis Campaign(SSC)は、重症敗血症と敗血症性ショックの管理のためのガイドラインを開発した。介入については、重篤なsepsisと診断がついてから6時間以内に行うべき蘇生術や24時間以内に行うべき処置などがまとめて示されている。

・米国、欧州、南米において、集中治療室、救急治療部、診療所、地域病院ネットワークなど、同ガイドラインに沿った対策に取り組んでいる計165施設からの提出データに基づき、2005年1月-2008年3月に重症sepsisなどの治療を受けた患者1万5022人を対象とし、同ガイドラインに沿った介入の実施性と院内死亡率との関連性を分析した。

・まず、同ガイドラインに沿った介入の実施性であるが、蘇生術は2005年第1四半期10.9%から、2006年末時点で31.3%にまで有意に増加していた(P<0.0001)。同様に、全処置の実施性は18.4%から36.1%まで有意に増加していた(P=0.008)。そのほかの介入も、ベースラインでの成績が既に高かった呼吸管理を除き、すべて有意に増加していた。こうしたガイドラインに沿った介入実施に伴い、院内死亡率(未補正)は、2年間で37%から30.8%に有意に減少した(P<0.001)。補正後の院内死亡率は5.4%(95%信頼区間2.5-8.4)の低下となった。また、ガイドラインに沿った介入実施施設でより改善が認められた。

・両者の因果関係については不明だが、データが提出された医療施設における院内死亡率の減少と同ガイドラインによる介入実施には関連性があった。

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