デスフルランとプロポフォールの比較:肥満患者で術後早期の肺機能に与える影響
A Comparison of Desflurane Versus Propofol: The Effects on Early Postoperative Lung Function in Overweight Patients
Anesthesia & Analgesia vol. 113 no. 1 63-69
・本研究では、プロポフォール vs デスフルランが肥満患者の術後の肺機能とパルスオキシメータ値に与える影響を評価した。
・所要時間40~120分の末梢小手術を受ける、BMI 25~35kg/m2 の患者134人を前向きに研究した。患者は、BIS=40~60を目標としてプロポフォール(完全静脈麻酔)か、経気管チューブによるデスフルラン麻酔を受けるよう無作為割付けされた。前投薬、補助薬使用、換気は標準化された。術前(ベースライン)、抜管後10分、0.5時間、2時間、24時間に、酸素飽和度と肺機能を測定した。すべての測定値は、仰臥位で 30°上体挙上位で測定した。術前のベースラインからの変化は、最初BMIと麻酔法の影響については単変量分析で、引き続き線形回帰と多変量分散分析を用いて分析された。
・術後最初の2時間以内では、プロポフォール群は、デスフルラン群に比して、酸素飽和度(2時間の時点で、平均±SD;93.8%±2.0% vs 94.6%±2.1%;P<0.007)と肺機能(努力肺活量、FEV1.0、最大呼気流量、MEF、強制吸気肺活量、最大吸気流速;プロポフォール群ではベースラインから11%~20%の大きな減少、すべてP<0.001)が低値を示した。術後24時間でさえ、FEV1.0、最大呼気流量、MEF、強制吸気肺活量、最大吸気流速は、プロポフォール群で低かった(すべて P<0.01)。 抜管後2時間の時点で、肥満度が増すと、プロポフォール麻酔された患者ではFEV1.0とMEFの減少と関係していたが、デスフルランでは関係なかった(P<0.01)。
・120分までの体表手術では、プロポフォールによる麻酔維持は、デスフルランよりも、術後早期の肺機能を障害し、パルスオキシメータ値は低くなる、と結論する。さらにまた、肥満度が増すと、プロポフォール麻酔後2時間の時点での肺機能は減少するが、デスフルラン麻酔後では減少しない。
[!]:術後24時間を経てもプロポフォール群の方が呼吸機能が低いというのは、ちょっと驚きだな。
Anesthesia & Analgesia vol. 113 no. 1 63-69
・本研究では、プロポフォール vs デスフルランが肥満患者の術後の肺機能とパルスオキシメータ値に与える影響を評価した。
・所要時間40~120分の末梢小手術を受ける、BMI 25~35kg/m2 の患者134人を前向きに研究した。患者は、BIS=40~60を目標としてプロポフォール(完全静脈麻酔)か、経気管チューブによるデスフルラン麻酔を受けるよう無作為割付けされた。前投薬、補助薬使用、換気は標準化された。術前(ベースライン)、抜管後10分、0.5時間、2時間、24時間に、酸素飽和度と肺機能を測定した。すべての測定値は、仰臥位で 30°上体挙上位で測定した。術前のベースラインからの変化は、最初BMIと麻酔法の影響については単変量分析で、引き続き線形回帰と多変量分散分析を用いて分析された。
・術後最初の2時間以内では、プロポフォール群は、デスフルラン群に比して、酸素飽和度(2時間の時点で、平均±SD;93.8%±2.0% vs 94.6%±2.1%;P<0.007)と肺機能(努力肺活量、FEV1.0、最大呼気流量、MEF、強制吸気肺活量、最大吸気流速;プロポフォール群ではベースラインから11%~20%の大きな減少、すべてP<0.001)が低値を示した。術後24時間でさえ、FEV1.0、最大呼気流量、MEF、強制吸気肺活量、最大吸気流速は、プロポフォール群で低かった(すべて P<0.01)。 抜管後2時間の時点で、肥満度が増すと、プロポフォール麻酔された患者ではFEV1.0とMEFの減少と関係していたが、デスフルランでは関係なかった(P<0.01)。
・120分までの体表手術では、プロポフォールによる麻酔維持は、デスフルランよりも、術後早期の肺機能を障害し、パルスオキシメータ値は低くなる、と結論する。さらにまた、肥満度が増すと、プロポフォール麻酔後2時間の時点での肺機能は減少するが、デスフルラン麻酔後では減少しない。
[!]:術後24時間を経てもプロポフォール群の方が呼吸機能が低いというのは、ちょっと驚きだな。
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