片肺換気を受ける患者で輸液反応性を予測するSVVに及ぼす1回換気量の影響

Influence of tidal volume for stroke volume variation to predict fluid responsiveness in patients undergoing one-lung ventilation
Journal of Anesthesia published online 09, July 2011
・本研究では、片肺換気(OLV)を受ける患者で、異なる1回換気量で換気して、1回拍出量変動(SVV)の輸液反応性の予測能を測定した。

・肺葉切除予定の全患者を、1回換気量によって2群に無作為化した[H群: 1回換気量8ml/kg(n=36); L群: 1回換気量6ml/kg(n=37)]。 OLV開始後に、30分で6%ヒドロキシエチルデンプン500ml を投与して容量負荷を行った。Vigileo-FloTracシステムを使用して容量負荷前後で血行動態変数を測定した。両群の患者は輸液反応者と非反応者に分けられ、応答者は容量負荷後に心係数が15%以上増加を示した場合と定義された。

・反応者と非反応者を区別するためのSVVのROC曲線下面積は、H群で0.776、L群で0.648であった。SVVの最適閾値はH群では10.5%(感度、85.7%; 特異度、66.7%)、L群では8%(感度、69.5%; 特異度、64.3%)であった。

・OLVを受ける患者で、1回換気量が少なくとも8ml/kg.の場合にのみ、感度と特異度が許容できる範囲で、SVVは輸液反応性を予測することができることが分かった。

[!]:片肺換気時には、少なくとも8ml/kg以上の1回換気量で換気しないと、SVVは輸液反応性の指標としては信用できないということ。

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