■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2011-07-15
【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (p________) (c__________) (t___) : 肺循環時間 (2) (________a) : 過呼吸/呼吸亢進 (3) (g_________) (b_______) (d___) : 神経節遮断薬 (4) (r_____) (a_________) : 直腸麻酔/直腸内麻酔法 (5) (_________a) : 運動機能異常 |
[解答]
(1)pulmonary circulation time | (2)hyperpnea |
(3)ganglionic blocking drug | (4)rectal anesthesia |
(5)dyskinesia |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(局所麻酔) 内臓の侵害刺激を脊髄へ伝える神経線維はどれか? | ア:Aα線維 エ:B線維 | イ:Aβ線維 オ:C線維 | ウ:Aδ線維 |
[解説] 体表の侵害刺激を脊髄へ伝える神経線維は、有髄のAδ線維と無髄のC線維である。一方、内臓の侵害刺激を伝える神経線維はAβ線維で、交感神経、副交感神経といっしょに走行して中枢神経へ到達する。
[正解] (イ) [出典] 「こだわり」の局所麻酔p5
【問題3】(腎疾患患者への注意) 正しい記述はどれか。 | ア:副甲状腺ホルモンは、腎臓でのカルシウムの再吸収を促進する。 イ:アルドステロンは遠位尿細管におけるナトリウムの再吸収を促進する。 ウ:腎血流量は心拍出量の20-25%をしめる。 エ:平均血圧が70-180mmHgの間で変化しても、腎血流量は変化しない。 |
[解説] アルドステロンは、遠位尿細管に作用して、カリウムとH+と交換に、ナトリウムの再吸収を増加させる。腎血流には自己調節能が存在してる。
●アルドステロン→遠位尿細管
●ADH→集合管の水に対する透過性を亢進させ、水分貯留と尿濃縮を起こす。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題4】(局所麻酔) 抗血小板薬内服患者の麻酔について正しいのはどれか。 | ア:脊髄くも膜下麻酔は硬膜外麻酔に比べ血腫形成の危険性が少ない。 イ:チクロピジンの薬剤添付文書には手術の10~14日前に中断することと記載されている。 ウ:チクロピジンの血小板に対する作用は不可逆的である。 エ:アスピリン内服を継続していても神経ブロック施行時の血腫形成のリスクは比較的少ない。 オ:チクロピジンはシクロオキシゲナーゼを不活化して血小板凝集抑制にはたらく。 |
[解説] アスピリンやチクロピジンなどの抗血小板薬内服中の患者に麻酔を行うに際し、脊髄くも膜下麻酔は硬膜外麻酔に比べ血腫形成の危険度が少ない。チクロピジンの薬剤添付文書には手術の10~14日前に中断することと記載されている。この根拠としては、チクロピジンの血小板に対する作用が不可逆的であり、血小板の寿命が8~10日であることに依存する。アスピリン内服を継続していても神経ブロック施行時の血腫形成のリスクは比較的少ないとされており、アスピリン単独投与時に神経ブロックを行い硬膜外血腫を起こしたという報告は見当たらない。アスピリンははシクロオキシゲナーゼを不活化して、チクロピジンはADPが血小板の受容体と結合することを阻害して、それぞれ不可逆的に血小板凝集機能の抑制を引き起こす。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ)、(エ) [出典] 臨床麻酔Q&A(II)p192
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