低炭酸血症と傷害を受けた脳:利益よりも害が多い
Hypocapnia and the injured brain: More harm than benefit
Critical Care Medicine: May 2010 - Volume 38 - Issue 5 - pp 1348-1359
・低炭酸血症は急性脳損傷の管理で使われており、特定の状況下では救命的かもしれないが、神経の虚血と傷害をもたらし、予後を悪化させる可能性がある。このレビューでは急性脳損傷で低炭酸血症を用いることの論理的根拠を再調査して、この状況での、治療的効果、悪影響の証拠を評価する。
・1966~2009年8月1日で、検索条件「過換気」、「低炭酸症」、「アルカローシス」、「二酸化炭素」、「脳」、「肺」と「心筋」を単独あるいは組み合わせでMEDLINE/PubMed検索を実行した。検索記事の参考文献もレビューした。重症脳損傷の小児・成人を管理する上で低炭酸血症は一般的に(しばしば長期的に)行なわれている。だが、低炭酸血症が神経病学的予後を改善するエビデンスは、切迫ヘルニア以外には臨床経験がない。それどころか、低炭酸血症は脳虚血を引き起こしうるか、悪化させうる。持続性の低炭酸血症が与える脳血流への影響は、緩衝のため、進行性に減少する。後続する正炭酸血症は反跳性脳充血を引き起こし、頭蓋内圧を増大させうる。低炭酸症血は、他臓器にも傷害を与えうる。不慮の低炭酸血症は常に回避し、予防的低炭酸血症は現在では行なうべきではない。
・低炭酸血症は有害となりうるので、最終的処置に至るまでの致命的頭蓋内圧亢進の緊急管理、もしくは術中の外科操作を補助するために厳しく限定されるべきである。低炭酸血症にしたときは、可能となればすぐに、Paco2を正常化すべきである。こういった状況外での低炭酸血症は利益よりも害が多そうである。
Critical Care Medicine: May 2010 - Volume 38 - Issue 5 - pp 1348-1359
・低炭酸血症は急性脳損傷の管理で使われており、特定の状況下では救命的かもしれないが、神経の虚血と傷害をもたらし、予後を悪化させる可能性がある。このレビューでは急性脳損傷で低炭酸血症を用いることの論理的根拠を再調査して、この状況での、治療的効果、悪影響の証拠を評価する。
・1966~2009年8月1日で、検索条件「過換気」、「低炭酸症」、「アルカローシス」、「二酸化炭素」、「脳」、「肺」と「心筋」を単独あるいは組み合わせでMEDLINE/PubMed検索を実行した。検索記事の参考文献もレビューした。重症脳損傷の小児・成人を管理する上で低炭酸血症は一般的に(しばしば長期的に)行なわれている。だが、低炭酸血症が神経病学的予後を改善するエビデンスは、切迫ヘルニア以外には臨床経験がない。それどころか、低炭酸血症は脳虚血を引き起こしうるか、悪化させうる。持続性の低炭酸血症が与える脳血流への影響は、緩衝のため、進行性に減少する。後続する正炭酸血症は反跳性脳充血を引き起こし、頭蓋内圧を増大させうる。低炭酸症血は、他臓器にも傷害を与えうる。不慮の低炭酸血症は常に回避し、予防的低炭酸血症は現在では行なうべきではない。
・低炭酸血症は有害となりうるので、最終的処置に至るまでの致命的頭蓋内圧亢進の緊急管理、もしくは術中の外科操作を補助するために厳しく限定されるべきである。低炭酸血症にしたときは、可能となればすぐに、Paco2を正常化すべきである。こういった状況外での低炭酸血症は利益よりも害が多そうである。
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