カフ・リーク・テストは抜管後急性喉頭病変の重症度を予測する:予備研究

Cuff-leak test predicts the severity of postextubation acute laryngeal lesions: a preliminary study
European Journal of Anaesthesiology: June 2010 - Volume 27 - Issue 6 - p 534-541

・カフ-リークテストの結果と喉頭部障害の存在の関係は? ;薬物治療と監視が必要な障害がカフ-リークテストによって予測できるか?これらの障害と抜管後喘鳴の関係は?

・大学病院の11ベッドICUでの予備的、前向きの、臨床調査。ICUに入室し、72時間以上人工呼吸を受けた50人患者を対象に、抜管前にカフ-リークテストを行なった。抜管後に、喉頭部障害の有無と程度を評価するために、喉頭鏡検査を行なった。喉頭部障害は、5段階(0-4)で評価され、症状のある患者は、薬物治療を受け、モニターされた。

・70ml(1回換気量の21%)のカフ-リーク閾値は、ROCプロットの目視検査により測定された。患者は、カフ-リークテスト陽性群と陰性群に分けられた。喉頭部障害の程度とカフ-リークテストを比較してみると、高度障害(3-4)とカフ-リークテスト陽性の関係が認められた(カフ-リークテスト陽性群で31.3% vs 陰性群で3.8%;P=0.023)。陽性適中率と陰性適中率はそれぞれ25%と96.1%であった。2例でのみ抜管後喘鳴を呈した(各群1例)。カフ-リークテスト結果と抜管後の急性呼吸困難発生との間には相関はなかった。

・カフ-リークテストは簡単で非侵襲性の検査で、長期挿管患者で、治療や密な監視が必要な喉頭部傷害の存在を除外するために役に立ちそうだ。喉頭病変は抜管後喘鳴とは無関係に起こる。

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