挿管後の喉頭損傷と抜管の失敗:気管支ファイバーによる研究

Post-intubation laryngeal injuries and extubation failure: a fiberoptic endoscopic study
Intensive Care Medicine Published online: 18 March 2010

・ICUでの挿管後の喉頭傷害について危険因子は何か、抜管後喘鳴(PES)と抜管失敗との関係は?

・24時間以上の人工呼吸後に抜管した患者136人の前向き研究、抜管後6時間以内に喉頭ファイバー検査を系統的に行い、4種類の喉頭異常(浮腫、潰瘍化、肉芽形成と声帯可動性の異常)を記録した。

・挿管継続の中央値は3日(最小24時間、最大56日)。喉頭傷害は頻繁で(73%)、挿管継続期間と挿管時に筋弛緩薬を使用しなかったことと関係していた。18人の患者はPESを呈した。PESと関連した障害は、浮腫(67%、P<0.01)と声帯可動性の異常(67%、P <0.01)であった。これらの傷害は、挿管期間(OR 1.05、95%CI1.01-1.09、P=0.04)、救急挿管(OR 2.7、95%CI 1.2-6.4、P=0.02)と身長/ETTサイズ比(OR 0.97、95%CI 0.95-0.99、P=0.01)と関係していた。17人の患者は、抜管後48時間以内に再挿管された。これらの患者の喉頭検査では、肉芽形成(29.4%、P=0.02)と異常なVC可動性(58.8%、P<0.01)を高頻度に示した。

・ICUで抜管後、喉頭傷害は高頻度であり、それは挿管期間と患者身長/ETTサイズ比率と関係していた。PESの原因は浮腫だけではなく、また、浮腫は頻度が高いが、再挿管に関連する唯一の傷害ではない。

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