少量フェンタニル:気管挿管に対する循環反応を和らげる最適な注入タイミング

Small-dose fentanyl: optimal time of injection for blunting the circulatory responses to tracheal intubation.
Anesth Analg. 1998 Mar;86(3):658-61

・本研究では、麻酔導入中に、喉頭展開と気管挿管への循環反応を減らす小用量フェンタニル注入の最適時間を調べた。

・患者170人は、5群の1つに無作為割付けされた。Groups II、III、IV、Vでは、患者は、それぞれ、気管挿管の1、3、5、10分前に、フェンタニル(2μg/kg)を投与された。Ⅰ群患者はフェンタニルを投与せず対照群とした。

・Ⅲ群とⅣ群では、血圧は導入前値と比較して、Ⅲ群の拡張期を除いては、有意には挿管後に上昇しなかった。しかし、Ⅰ群、Ⅱ群、Ⅴ群では有意に上昇した(P<0.05)。Ⅲ群とⅣ群では挿管1分後の収縮期、拡張期、平均動脈圧は対照群よりも低かった(P<0.05)。Ⅳ群の心拍数増加は対照群よりも少なかった(P<0.05)が、Ⅱ群、Ⅲ群、Ⅴ群では有意差は観察されなかった。頻脈や不整脈を呈した患者数は、Ⅳ群で対照群よりも有意に少なかった(P<0.05)。

・我々は、喉頭展開と気管挿管への循環反応を防止するのにフェンタニルを投与する最も効果的な時間は気管挿管の5分前であると結論する。フェンタニルは、気管挿管による循環動態反応を抑えるためによく使用される。しかし、大用量は不必要な副作用を引き起こすかもしれない。最適時間のフェンタニル投与は、必要な用量を減らす。本研究結果から、挿管時のフェンタニルの最適投与時間は挿管5分前であることが示される。

[!]:これはかなり古い13年も前の文献である。170人もの患者を対象として挿管時のフェンタニル投与の至適タイミングを研究したものだ。予測効果部位濃度が電子麻酔記録上で見ることができる今、「当たり前でしょ!」の一言で済んでしまう。隔世の感ありだ。ちなみに当院では、越川先生作の paperChart のお世話になっている。

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