■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2011-07-25
【問題1】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。 | ||||
(1) BE | (2) LC50 | (3) EDV | (4) CPD | (5) LMA |
[解答]
(1)base excess:塩基過剰
(2)lethal concentration-50:50%致死濃度/半数致死濃度
(3)end-diastolic volume:拡張終期容積
(4)citrate phosphate dextrose:クエン酸塩-リン酸-ブドウ糖
(5)laryngeal mask airway:ラリンジアルマスク
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(麻酔) 麻酔について正しいのはどれか。 | ア: MAC(minimum alveolar concentration)が小さいほど、麻酔作用が強い。 イ: 揮発性吸入麻酔薬は体内で分解されない。 ウ: 半閉鎖法ではソーダライムを使用する。 エ: 血液・ガス溶解係数が小さいと、導入が速やかである。 オ: 小児のMACは成人よりも小さい。 |
[解説] 半閉鎖法では、患者の呼気のほとんどを再び吸気に戻すため、呼気中のCO2をソーダライムで吸収する必要がある。
ア:○ MACが小さいほど麻酔作用が強い。低い麻酔の濃度で麻酔作用が得られるからである。
イ:× 揮発性吸入麻酔薬はほとんど呼気中に排出されるが、少量は体内で代謝される。
ウ:○ 呼気中のCO2吸収用にソーダライムが使用される。
エ:○ 血液/ガス分配係数が小さいほど、吸入麻酔薬の血中への溶解が少なくてすむため、導入が速やかに行われる。
オ:× 小児ではMACが大きいため、成人より高濃度の吸入麻酔薬を必要とする。逆に高齢者ではMACが小さい。高齢者・成人・小児でMACは異なる。
[正解] (ア)、(ウ)、(エ)のみ [出典] 医師国家試験 75B74
【問題3】(溺水・中毒・体温) 直腸温で何度以下になると、呼吸循環系の抑制が強くなり、低換気、低血圧、徐脈を呈してくるか? | ||||
1) 30度 | 2) 33度 | 3) 28度 | 4) 25度 | 5) 20度 |
[解説] 体温33度以下では呼吸循環系の抑制が強くなり(「低体温でサンザン(=33)だ。」)、30度以下になると心室性期外収縮や心室細動が発生しやすい。ECGでBobas signとJ waveが出現したら心室細動や心停止の前兆である。「ニヤニヤ(=2828)してるとVfだ。」 28度以下では呼吸停止、意識消失(cold narcosis)もきたす。有痛性冷感→知覚鈍麻→無痛→傾眠→昏睡と進行する。
[正解] 2 [出典] クリティカル記憶術1p151
【問題4】(中枢神経) 大孔ヘルニアとは、小脳扁桃が大孔内に脱出してどこを圧迫することか? | ||||
1) 中脳 | 2) 視床下部 | 3) 視床 | 4) 橋 | 5) 延髄 |
[解説] 大孔ヘルニア=小脳扁桃が大孔内に脱出→延髄圧迫→失調性呼吸(ataxic breathing)をきたす。延髄には呼吸・循環の中枢があるため急死をきたしうる。症状;失調性呼吸~延髄呼吸中枢の障害による、嘔吐~延髄の嘔吐中枢の刺激による。項部硬直
[正解] 5 [出典] クリティカル記憶術2P25
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