種々の濃度のロピバカインによる胸部硬膜外麻酔が片肺換気中の動脈血酸素化に与える効果

Effect of Thoracic Epidural Anesthesia with Different Concentrations of Ropivacaine on Arterial Oxygenation during One-lung Ventilation
Anesthesiology: May 2010 - Volume 112 - Issue 5 - pp 1146-1154

・胸部硬麻は、肺手術でファースト・トラック・アプローチの一助として貢献しうる。が、胸部硬麻の片肺換気(OLV)中の酸素化に与える影響に関する報告は少なく議論がある。分光エントロピー法ガイドの静脈麻酔下に肺外科手術を受ける患者で、異なるロピバカイン濃度の胸部硬麻が、酸素化、OLV中のシャント率(Qs/Qt)とプロポフォール維持量に及ぼす効果を評価すべく前向き無作為二重盲検試験を行った。

・肺手術予定の患者120人を、硬膜外に生食(S群)、0.25%(R0.25群)、0.50%(R0.50群)と0.75%(R0.75群)のロピバカインを注入する4群に無作為に分けた。術中ロピバカインは6-8mlをボーラスで、その後5ml/hで持続注入した。動脈血酸素分圧(Pao2)とQs/Qtは、OLVの前中後に測定した。

・Pao2は、S群とR0.25群でそれと比較してR0.75群で有意に低かった。OLV10分後(170±61 vs. 229±68 mmHg,P=0.01; 170±61 vs. 223±70 mmHg,P=0.03)、20分後(146±52 vs. 199±68 mmHg,P=0.009; 146±52 vs. 192±67 mmHg,P=0.03).。OLV中、Qs/Qtは、S群とR0.25群と比較してR0.75群で有意に高かった(P<0.05)。プロポフォール維持量は、R0.75群で有意に低かった。昇圧剤の必要量は、R0.75群で多かった。

・硬膜外局所麻酔薬の高濃度群にだけOLV中の酸素化能低下は起こり、低用量では認めなかった。硬膜外に高濃度を使用するとプロポフォール維持量は少なくなったが、昇圧剤は多く必要とした。

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