麻酔下の患者で、頭部・頸部の位置が i-gel による換気に及ぼす影響

The influence of head and neck position on ventilation with the i-gel airway in paralysed, anaesthetised patients
European Journal of Anaesthesiology: August 2011 - Volume 28 - Issue 8 - p 597-599

・頭部と頸部の位置は i-gel エアウェイによる換気の効果に影響を及ぼすであろうと仮定した。この仮説を検証するために、本研究では、異なる頭位と頸部位置が i-gel 換気中の口咽頭密閉圧と換気スコアに及ぼす影響を調査した。

・口腔外科手術予定の20人の全身麻酔患者に、同一の、声門上気道器具に精通したユーザーが、i-gelを挿入した。頭頸部を中立位、前屈位、伸展位、右回旋位にした状態で、口咽頭リーク圧と換気スコアを測定した。換気は3つの基準に基づいて0から3点まで点数化された(気道内圧15cmH2Oでリークなし、両側胸部拳上、カプノグラムの方形波形;各項目につき0か1点を当てる)。

・口咽頭リーク圧は、中立位(25.8±5.2cmH2O)と比較して、屈曲で有意に高く(28.5±3.4cmH2O;P=0.015)、伸展位で低かった(23.0±4.2cmH2O;P=0.015)が、回旋位では同様であった(26.7±5.1cmH2O;P=0.667)。頭頸部の屈曲[2(1-3)]は、中立位[3(2-3)、P=0.004]に比較して換気スコアに悪影響を与えた。

・頭頸部を伸展あるいは回旋した患者でも、i-gel によって効果的な換気が行えたが、頭頸部の屈曲では換気に悪影響を与えた。臨床的には、i-gel による換気中には、頭頸部の屈曲は避けるべきである。

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