腰椎椎間板手術に及ぼす腹臥位とジャックナイフ位の効果

Effects of Prone and Jackknife Positioning on Lumbar Disc Herniation Surgery
Journal of Neurosurgical Anesthesiology:
October 2011 - Volume 23 - Issue 4 - p 318-322

・体位に伴う腹腔内圧上昇は、術野ので出血を増やす。本研究では、腹臥位とジャックナイフ位が、腰椎椎間板手術での腹圧(IAP)、肺メカニクス、術野出血、手術所要時間に及ぼす影響を評価した。

・1椎間の腰椎椎間板ヘルニアで手術を受ける患者40人を本研究の対象とした。全患者は、ASA I~IIで18~70才であった。脊椎手術の既往、抗凝固または抗血小板療法中の患者、高血圧、心疾患、呼吸器疾患、肝疾患、腎疾患を有する患者、肥満(BMI>35kg/m2)患者は除外された。患者は、手術に際し、腹臥位かジャックナイフ位に無作為割付けされた。肺メカニクス、IAP、術野出血は、両患者群で計算された。肺および腹圧レベルの変化は、仰臥位とうつ伏せの双方で測定した。

・術野出血(腹臥位: 180.0±100.0mL、ジャックナイフ: 100.0±63.6mL、P=0.018)、IAP(腹臥位: 11.0±3.0mm Hg、ジャックナイフ: 8.0±2.0mm Hg、P=0.006)は、ジャックナイフ位の時に有意に少なかった。手術時間はジャックナイフ位の方が、およそ40分短かったが、この差は有意ではなかった。

・ジャックナイフ位では、腹臥位に比較して、IAP上昇が少なく出血量が少ない。 ジャックナイフ位は、健康で肥満でない患者の1椎間の腰部椎間板手術のために好ましい選択である。

[!]:これは以前に聞いたことがあるが、腹臥位と言っても4点フレームで腹圧が上がらないようにしている場合は、ジャックナイフ値に近いのではないだろうか。

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