局所麻酔薬のシュワン細胞への毒性は時間と濃度依存性である
Local Anesthetic Schwann Cell Toxicity Is Time and Concentration Dependent
Regional Anesthesia & Pain Medicine: September/October 2011 - Volume 36 - Issue 5 - pp 444-451
・局所麻酔薬(LA)による末梢神経ブロックは、手術麻酔や術後鎮痛のためによく施行される。 持続性の麻痺や筋力低下をきたす結果となる神経損傷は、潜在的に重症の合併症である。局所麻酔薬は、これまでにいくつかのメカニズムによってニューロンおよびシュワン細胞に損傷を与えることが示されてきた。本研究ではLAがシュワン細胞に毒性があり、その毒性の程度はLAの濃度と暴露時間に直接関連するという仮説を検証しようとした。LAの神経内注入は、神経損傷をもたらすことが示されてきた。本研究では、長期にわたるLAの神経外注入も傷害をもたらしうるという仮説を検証しようとした。
・ネズミ新生児坐骨神経から培養されたシュワン細胞をいろいろな濃度(10、100、500、1000μM)のLAでインキュベートし、暴露4、24、48、72時間後に各濃度の毒性を評価した。試験対象としたLAは、リドカイン、メピバカイン、クロロプロカイン、ロピバカイン、ブピバカインであった。細胞死は、光学密度で測定される乳酸脱水素酵素放出によって評価された。別の実験では、スピローグ-ドーリー・ネズミの坐骨神経に沿ってマイクロカテーテルを留置した。ネズミは、72時間にわたって神経周囲カテーテルから0.9%生食(n=8)か、ブピバカイン(0.5%、n=4; 0.75%、n=4)を投与されるよう無作為割付けされた。その後ネズミを死亡させ、神経を切り出して染色して分析した。断片は、ミエリンを抗マクロファージ抗体で(CD68)染色した。
・被験LAのいずれも、非常に低濃度(10μM=0.0003%)では、長時間の暴露後も有意なシュワン細胞死をきたすことはなかった。高濃度(1000μM=0.03%)に長時間(48または72時間)暴露された場合は、被験LAのすべてで有意なシュワン細胞死をきたした(光学密度で測定されるように対照に比してLDH放出が増加した。0.384-0.974、いずれも p<0.001)。ブピバカインだけは、低濃度(100μM=0.003%)への長時間暴露後に、有意な細胞死(0.482、P<0.001)をもたらした。中間濃度(500μM=0.015%)では、細胞死はブピバカイン(0.768、P<0.001)とロピバカイン(0.675、P<0.001)で他の薬物よりも広範囲にわたった(0.204-0.368; 全P値< 0.001)。ネズミ坐骨神経のブピバカインへの長時間の神経周囲暴露は、有意な脱髄と神経細胞への炎症性細胞浸潤を引き起こした。
・局所麻酔薬は、時間と濃度依存性にシュワン細胞死を誘発する。 ブピバカインとロピバカインは中間濃度で他の薬物よりも毒性が大きく、ブピバカインへの長時間の暴露は低濃度であっても有意な毒性を生じた。高濃度ブピバカインへの短時間暴露は、シュワン細胞に損害を与える。ブピバカインの長時間の神経周囲注入は、神経損傷をきたす結果となる。
Regional Anesthesia & Pain Medicine: September/October 2011 - Volume 36 - Issue 5 - pp 444-451
・局所麻酔薬(LA)による末梢神経ブロックは、手術麻酔や術後鎮痛のためによく施行される。 持続性の麻痺や筋力低下をきたす結果となる神経損傷は、潜在的に重症の合併症である。局所麻酔薬は、これまでにいくつかのメカニズムによってニューロンおよびシュワン細胞に損傷を与えることが示されてきた。本研究ではLAがシュワン細胞に毒性があり、その毒性の程度はLAの濃度と暴露時間に直接関連するという仮説を検証しようとした。LAの神経内注入は、神経損傷をもたらすことが示されてきた。本研究では、長期にわたるLAの神経外注入も傷害をもたらしうるという仮説を検証しようとした。
・ネズミ新生児坐骨神経から培養されたシュワン細胞をいろいろな濃度(10、100、500、1000μM)のLAでインキュベートし、暴露4、24、48、72時間後に各濃度の毒性を評価した。試験対象としたLAは、リドカイン、メピバカイン、クロロプロカイン、ロピバカイン、ブピバカインであった。細胞死は、光学密度で測定される乳酸脱水素酵素放出によって評価された。別の実験では、スピローグ-ドーリー・ネズミの坐骨神経に沿ってマイクロカテーテルを留置した。ネズミは、72時間にわたって神経周囲カテーテルから0.9%生食(n=8)か、ブピバカイン(0.5%、n=4; 0.75%、n=4)を投与されるよう無作為割付けされた。その後ネズミを死亡させ、神経を切り出して染色して分析した。断片は、ミエリンを抗マクロファージ抗体で(CD68)染色した。
・被験LAのいずれも、非常に低濃度(10μM=0.0003%)では、長時間の暴露後も有意なシュワン細胞死をきたすことはなかった。高濃度(1000μM=0.03%)に長時間(48または72時間)暴露された場合は、被験LAのすべてで有意なシュワン細胞死をきたした(光学密度で測定されるように対照に比してLDH放出が増加した。0.384-0.974、いずれも p<0.001)。ブピバカインだけは、低濃度(100μM=0.003%)への長時間暴露後に、有意な細胞死(0.482、P<0.001)をもたらした。中間濃度(500μM=0.015%)では、細胞死はブピバカイン(0.768、P<0.001)とロピバカイン(0.675、P<0.001)で他の薬物よりも広範囲にわたった(0.204-0.368; 全P値< 0.001)。ネズミ坐骨神経のブピバカインへの長時間の神経周囲暴露は、有意な脱髄と神経細胞への炎症性細胞浸潤を引き起こした。
・局所麻酔薬は、時間と濃度依存性にシュワン細胞死を誘発する。 ブピバカインとロピバカインは中間濃度で他の薬物よりも毒性が大きく、ブピバカインへの長時間の暴露は低濃度であっても有意な毒性を生じた。高濃度ブピバカインへの短時間暴露は、シュワン細胞に損害を与える。ブピバカインの長時間の神経周囲注入は、神経損傷をきたす結果となる。

この記事へのコメント
上記の説明からでは、0,5%マーカイン高比重液2.2mIをL2.L3間に、脊髄くも膜下麻酔に麻酔手技を受けた場合には、、、
、短時間?…
長時間?、…高濃度?…にあたるのでしょうか?
また、麻酔手技を受けた後は、手術するに麻酔効果を高める為に、左足を下に、側臥位を3分間とる姿勢をしていました。
これは、高濃度、長時間?になるのでしょうか?
その後は、麻酔が醒めて行くに辺り、痺れと足趾が動かず、痛みが出てきてしまい、麻酔手技を受けてから半日もたた無いうちに、ハムストリングス、腓骨脛骨神経麻痺を起こしました!
足首からは、手術後でしたので、血栓予防のためのポンプアップ…がひと晩中付いていたので足首から指先が全く動かないなんて思ってもいなくて、、、
朝になって、ポンプアップを外して初めて、麻痺している事に気がつきました!
大腿部、膝関節は前に挙上出来ていましたので、体位交換も自分で何とか出来ていたのですがとにかく、膝下の外側、後面、大腿部の後面の痛みが強く眠れずに過ごしたひと晩でしたので強力に覚えています。
治験薬についても知りたいです!
麻痺から3週間後に受けた、脊髄損傷の患者さんが受けるもの!…で、馬尾神経に効果が有るのか解らない!
…と説明を受けて同意したものてすが、本当に、効果が有ったのかな?
>上記の説明からでは、0,5%マーカイン高比重液2.2mIをL2.L3間に、脊髄くも膜下麻酔に麻酔手技を受けた場合には、、、
、短時間?…長時間?、…高濃度?…にあたるのでしょうか?
>また、麻酔手技を受けた後は、手術するに麻酔効果を高める為に、左足を下に、側臥位を3分間とる姿勢をしていました。これは、高濃度、長時間?になるのでしょうか?
私の麻酔経験と知識から申しますと、にゃんこ様が受けた脊椎麻酔(ブピバカインへの暴露)は、けっして、高濃度でも長時間でもありません。穿刺高位が高すぎるということ(通常、膝の手術であれば、L4/5、高くても L3/4 で穿刺するのが私的には原則です)以外は、ごく普通の脊椎麻酔です。
この論文で指摘している「長時間」とか、「高濃度」というパラメータを実際的な臨床麻酔で解釈すると、
「長時間」とは、クモ膜下に留置したカテーテルによって持続脊椎麻酔を行うような場合(昔、米国で行われ多くの馬尾症候群を発生させてしまった。)を指していると考えています。
また、「高濃度」とは、市販されている0.5%溶液ではなくて、これ以上の濃度の薬液を自病院専用に薬剤部で調整して 0.8% を使用しているとか、(実際にはきちんとクモ膜下腔に投与されていたにもかかわらず何らかの理由で拡散速度が十分でなく)1回目の脊椎麻酔の効果が数分後に不十分であったために、2度目の穿刺を行って、薬液を同量追加してしまった場合(この場合には、薬液濃度が単純に考えて2倍になる?)が考えられます。
したがって、にゃんこ様が受けられた脊椎麻酔が神経内注入でない限りは、高濃度や長時間には相当しないと考えます。
しかし、もしも神経内注入になっていたとすれば、注入された薬液は髄液によって急速に希釈されることがないために局所濃度(神経鞘内)は高濃度となり、かつ、長時間にわたって神経に作用せざるを得ない状況を作りだしたものと考えることができます。
もしも、生理食塩水が同じく神経内注入された場合には、どれほど障害が出るかは不明ですが、生理食塩水には強い神経毒性は想定されませんので、ほとんど無症状かもしれません。
と考えてくると、薬液の神経毒性という点も確かに結果に影響を及ぼした可能性はありますが、何よりも、通常は神経内注入にならない限り、市販の0.5%マーカインが長期間、あるいは高濃度で作用できるはずがないというのが私の見解です。
もしも、手技上ミスのない脊椎麻酔で、市販の0.5%マーカインを使用した場合に、1年以上にわたって下肢麻痺をきたすようなことがあるのなら、私たち麻酔科医は安心して日々、脊椎麻酔を実施していくことは不可能です。
ありがとうございます!
涙が溢れそうになるコメントです。
麻痺した時から、ずっと何か違う?
何か変?…と、思っていても麻痺した足がどうしても受け入れられなくて、気が動転してしてしまっていて、強い痺れと痛みに悩まされながら、上手く動けなくて辛かった…(涙)
麻痺から8ヶ月が、経過したときに、初めて「防げた事故だ」と、有料サイトのペインクリニックの医師が教えてくれてからは、色んな文献、論文を読んできましたので、麻痺の原因は「神経内注入!」…だと言って頂き、私の考えていた事と同じで、何より嬉しかったです。
でも、今回、麻酔手技後に麻痺した事で調べて知ったのは、腰椎麻酔後に麻痺を起こしている患者さんが以外にも多い事です。
麻酔科医が手技をしたものより、他科での麻酔手技を受けた患者さんの方が多いのです。
私の様に、整形外科医師だったり、婦人科医師だったり…(-_-#)
医師は、神経毒性についてや、腰椎麻酔時の、痛みが有ったら針をずらす、抜く、等は、皆が皆、知っているわけでは無いのですね。。。
手技をしているから知っている!
…と、考えるのは難しいのでしょうかね?
局所麻酔薬の神経毒性による馬尾症候群…そう~診断されると、悪いのは医師では無くて薬品会社?…厚生労働省?
遥か遠くに、葬られて泣寝入りするしか無いのでしょうかね?…
> 局所麻酔薬の神経毒性による馬尾症候群…そう~診断されると
もし、そういう診断が下されるのであればそれは「誤診」というものです。
以前に同じ薬液で同じく脊椎麻酔を受けたときには発生していないのに、なぜ今回に限って薬剤の神経毒性が突然出現したのでしょうか?
また、症状から言って「馬尾症候群」ではないと考えます。
診断は、「脊椎麻酔施行時に、薬液の神経内注入をしてしまったためのL5神経領域の不全麻痺」が妥当な診断名かと思います。
私の勤めている病院では、脊椎麻酔も含めて麻酔科医の管理の下で行っていますが、多くの病院では全身麻酔は麻酔科医が担当するけれども、脊椎麻酔は各科で行っている施設も多くあります。これは、まだまだ麻酔科医の数が不足しているからです。また、手術症例数が少ない病院では、麻酔科医を雇っても採算が合わないということもあり、脊椎麻酔は自科麻酔で行っているのが現状です。
> 手技をしているから知っている!…と、考えるのは難しいのでしょうかね?
医師としては、事故を起こさないように、日々、細心の注意を払いつつ手技を行い、知るべきことを知るために研鑽していくしかありませんね。
そして、事故が発生してしまったときには、自分に落ち度があった場合には素直に認めて、患者さんの身体的、経済的負担が最小限になるよう努力するしかないと考えています。
涙…無くしては読めず。。。
先生の事を信頼できます。尊敬出来ます。
麻痺を起こしている時の主治医の言葉には、嘘つき!…そうとしか思えない日々でした
医療従事者である私が、医療不信となり誰も信じられない!…状態になっているときに、一人の医師が私の事例を検討してブログに載せてくれ、一人の医療問題支援の会の方が私の事例を検討して示談、提訴…にまで導いてくれようとしてくれました。
神様って居るんだな(^^;って思えました!
今後、示談、提訴…にまでたどり着くのかは解りませんが、是非ともその時には先生からの意見書を頂きたくお願い致します
私に協力していただけませんか?
私を助けて…。
私のアドレスは解るのでしょうか?
その後、ちょっと古いですが、にゃんこ様の症状に似た7例の症例を報告を見つけましたので、ご報告しておきます。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1365-2044.2001.01422-2.x
この頃から、すでに L3 より頭側での脊椎麻酔針の刺入(当然、L2-3 も含まれます)は推奨されないことが示されています。
7症例のうち、6症例で脊髄下端(脊髄円錐)に病変を検出できています。
にゃんこ様ほどに後遺症が残っていながら、脊椎麻酔針の刺入跡が検出できるほど精度の高い MRI 画像で、なんら異常所見が検出できなかったというのは、ちょっと合点がいかないですね。
抄録だけブログにアップしておきます。
しっかり読ませて頂きました!
にゃんこ様ほどに後遺症が残っていながら、脊椎麻酔針の刺入跡が検出できるほど精度の高い MRI 画像で、なんら異常所見が検出できなかったというのは、ちょっと合点がいかないですね
↑
と。
先生が言い切れるのは何故なのでしょうか?
どんな異常所見があれば良かったのか?
主治医は、針ではなく麻酔薬副作用…と言った根拠は何が写っていないから?
…
「貴方の麻痺の原因を色々と検討した結果、麻酔ミスでも手術ミスでもなく、薬品会社に問い合わせたら、局所麻酔薬の神経毒性で馬尾症候群という副作用が数%にもならない程度では有るが、有るそうです。
L5~以下の麻痺で、1週間が最初のターニングポイントで、次ぎは1ヶ月、3ヶ月、半年…その間に回復しなければ、このまま症状が残るかも知れません。
後は、治験薬を脊椎専門医が検討してくれています。
そちらに期待しながら、歩くリハビリを装具をつけて練習していきましょう」
…
主治医が、私と家族に説明した通りですが、麻酔手技を行っている医師でも局所麻酔薬の副作用を知らない?…なんて事はあるのでしょうか?
更に、私に麻酔手技をした後期専修医3か月目に入ったばかりの医師は、私の足を見ながら…
「前にも、あなたの様に脊髄くも膜下麻酔後に麻痺を起こした患者を知っている。その方は半年で治った」…と、言ってからは病室には来なくなりました。
今になれば、解ります!
半年で治るハズが無いって!
麻痺した状態から、何とか歩ける様になっても、痛みや痺れで24時間苦しんでいる現状態ですもの…💦
脊椎麻酔や硬膜が麻酔後に遷延する下肢麻痺症状が発生した時、クモ膜下や硬膜外の血種形成や、脊髄栄養血管の損傷→脊髄の血流低下→脊髄梗塞などを疑って、CTやMRIの画像診断を進めます。
また、局所麻酔薬の神経毒性を考慮すれば、局所麻酔薬の髄液への拡散を妨げるようなくも膜下腔の異常構造物の存在、そして、先天異常や薬液の毒性を助長するような既存の脊髄疾患(脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア)の有無を検索します。
前記した症例報告では、6例で異常所見(脊髄下端=脊髄円錐における空洞)が認められています。一例では初見では異常を認めなかったものの、再度の検討で異常所見を認めています。
空洞ができる理由は、針による物理的損傷の結果として脊髄内の血種形成、局所麻酔薬貯留、神経組織壊死・誘拐の結果として組織内に液体が貯留するためです。
> 局所麻酔薬の神経毒性で馬尾症候群という副作用が数%にもならない程度では有るが、有るそうです。
「数%にもならない程度」市販の薬液を使用して、そんな頻度で「馬尾症候群」という副作用が起こるようなら、麻酔の前にあらかじめ患者様に、その副作用について説明した上で同意を得ておかなくてはいけません。
日本麻酔科学会のHPでは、馬尾症候群の発生率について、以下のように記載されています。
~~~~~~~~~~~~
《馬尾症候群・一過性神経徴候》
脊髄は腰椎上部までで、それより下の脊柱の中は馬尾といい、細い神経が縦に走っています。脊髄くも膜下麻酔は馬尾の部分に麻酔薬をいれるので、通常、太い脊髄は傷害を受けません。しかし、1万人から5万人に1人程度の頻度で、下半身の知覚異常、運動障害、膀胱直腸障害など(馬尾症候群)を生じることがあります。脚の痛みや知覚異常は、通常、24~72時間以内に回復します。(一過性神経徴候)が、中には症状が長期間持続する場合もあります。
http://anesth.or.jp/public/anesthesia/13.html
~~~~~~~~~~~~
薬液の神経毒性による馬尾症候群であれば、ゆっくりと時間をかけてシュワン細胞が剥がれ落ちていくわけですから、脊椎麻酔時の薬液注入時に激痛が発生することはありえないと思います。
↑
ゆっくりと、シュワン細胞が剥がれ落ちていくのですから、、、
麻酔が醒めていくにあたり、急速に麻痺症状が出現することも無い!
…となりますか?
ペインクリニックの主治医が、「麻酔手技から麻痺症状が出現するまでの時間が早すぎる事も考えると神経毒性が原因では無いのではないか?」…とも、言っていましたが。。。
最初にお話を伺ったときには、十中八九、神経毒性によるものではないと感じていましたが・・・・
1.麻酔の手技時に何ら異常の見られなかった脊椎麻酔にて薬液の神経毒性による馬尾症候群が起こる確率:1/10000~1/50000(麻酔科学会)
2.L2-3 から脊椎穿刺して脊髄円錐を損傷する危険性の確率:1/5~1/25(2001年の症例報告の脊髄存在確率:脊椎麻酔針の刺入角度を考慮に入れると、L2-3 穿刺では、4~20 % の確率で、針先が脊髄円錐に到達する可能性があること)
前者の場合は、「注入時痛」は通常認められないのに対して、後者の場合は、ほぼ「注入時痛」を伴う。
3.脊椎麻酔の穿刺手技時に前回の円錐切除時には感じなかった「体が自然に反跳してしまうような痛み」があったこと(にゃんこ様の訴え)。
この3つを考え合わせると、たとえ MRI で異常所見がなかったとしても、薬液の神経毒性による馬尾症候群が発生したと考えるよりも、脊椎麻酔針が脊髄円錐を損傷したと考える方が、単純計算で 400~10000倍の確率で確からしいという結果になると思います。
1.腰椎の MRI 画像で脊髄円錐に本当に何の所見もないのか?
2.にゃんこ様の場合、解剖学的に、L2-3 からの刺入では、針先をどう頭側に振っても、脊髄円錐には到達しえないことが実証できるか?
という2点について第3者(当該病院との利害関係が全くない医師)を含めて検証してみるべきだと思いました。
もしも、(1)が否定的であっても、(2)が実証できないのなら、脊椎麻酔針による脊髄円錐損傷の可能性が否定できないと考えます。
今までには無かった知識が沢山有りすぎるほどあり、私が読んできた文献や論文にも書かれていなかったものばかりで大変勉強になります!!⤴️
セカンドオピニオンを受けた大学病院の教授には、
「穿刺部位や針の傾き、穿刺時の姿勢、椎間板ヘルニアの存在、術中体位、等が重なり高比重局所麻酔薬の流れの変化と停滞が起きたと考えられます。穿刺部位や局所麻酔薬の種類と用量の選択は標準的であり、その後の対応も含め、今回の医療に問題があったことを示唆する情報は無い(検査、診断、対応も素晴らしい)と、説明しました」
「患者様は、前2回の脊髄くも膜下麻酔と比較して極めて強い穿刺時腰痛が有った事を気にされておりましたがこの際に下肢放散痛は発生していないため針による馬尾の直接損傷ではなく、貴院同様、局所麻酔薬のくも膜下腔局在が原因による馬尾障害と考える事を申し上げました」
↑
検査は、麻酔手技後24時間が経過してから撮った穿刺部位に針跡がL2~3間に写っていたMRI検査と、麻痺から1週間が経過してから神経伝導速度検査の麻痺していない足の足首に潜時の延長がみられた
以外は基準範囲内であった。
…と、いう2つの検査の内容です。
その後の対応も素晴らしいーと書かれていたのは、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)の治験薬の事を言っています!
私にとって、このセカンドオピニオンの内容は、納得が出来るものではなくて…💦
その後も、穿刺部位や針の傾きの意味合い等も調べていました。
今回の先生のご意見を目にしたときに、、
私の本当の診断名は、「馬尾神経内注入によるL5領域の不全麻痺」だったのだと知り、麻痺から2年3ヶ月が経過して初めて納得ができ、心もふっ~と楽になったような気がします(^-^)
今までには無かった知識が沢山有りすぎるほどあり、私が読んできた文献や論文にも書かれていなかったものばかりで大変勉強になります!!⤴️
セカンドオピニオンを受けた大学病院の教授には、
「穿刺部位や針の傾き、穿刺時の姿勢、椎間板ヘルニアの存在、術中体位、等が重なり高比重局所麻酔薬の流れの変化と停滞が起きたと考えられます。穿刺部位や局所麻酔薬の種類と用量の選択は標準的であり、その後の対応も含め、今回の医療に問題があったことを示唆する情報は無い(検査、診断、対応も素晴らしい)と、説明しました」
「患者様は、前2回の脊髄くも膜下麻酔と比較して極めて強い穿刺時腰痛が有った事を気にされておりましたがこの際に下肢放散痛は発生していないため針による馬尾の直接損傷ではなく、貴院同様、局所麻酔薬のくも膜下腔局在が原因による馬尾障害と考える事を申し上げました」
↑
検査は、麻酔手技後24時間が経過してから撮った穿刺部位に針跡がL2~3間に写っていたMRI検査と、麻痺から1週間が経過してから神経伝導速度検査の麻痺していない足の足首に潜時の延長がみられた
以外は基準範囲内であった。
…と、いう2つの検査の内容です。
その後の対応も素晴らしいーと書かれていたのは、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)の治験薬の事を言っています!
私にとって、このセカンドオピニオンの内容は、納得が出来るものではなくて…💦
その後も、穿刺部位や針の傾きの意味合い等も調べていました。
今回の先生のご意見を目にしたときに、、
私の本当の診断名は、「馬尾神経内注入によるL5領域の不全麻痺」だったのだと知り、麻痺から2年3ヶ月が経過して初めて納得ができ、心もふっ~と楽になったような気がします(^-^)
セカンドオピニオンの「穿刺部位や局所麻酔薬の種類と用量の選択は標準的であり」の下りで「局所麻酔薬の種類と用量の選択は標準的」ですが「穿刺部位」は明らかに間違いだと思います。20-30 年前だったら正しいとされたかもしれませんが。
脊椎麻酔後の脊髄円錐の損傷(https://knight1112jp.at.webry.info/201809/article_54.html)にも記されているように、L2-3 の穿刺は図に示しされたような高い確率(解剖死体で 20%、生体の MRI 検査上で 4%)で、脊椎麻酔針によって脊髄円錐を損傷する危険性があります。
にゃんこ様の症状の詳細を十分に検討しておらず(一時的にしろ膀胱直腸障害もあった、あるいは現在も?)、また私個人の7勉強不足もあり、上記症例報告を目にするまでは、「馬尾神経内注入によるL5領域の不全麻痺」と考えていましたが、そうではなくて「脊椎麻酔針による脊髄下端(脊髄円錐)の直接損傷が原因の、L5 以下の不全麻痺を含む症状をきたした」可能性が高いと考えなおしました。
1本の針で馬尾にあたる複数の神経を同時に損傷、あるいは神経内注入することはほとんど不可能であることから、特定の神経に対する神経内注入なら症状は非常に限定的となり、仙骨領域の膀胱直腸障害などは起こりにくいことに気が付いたからです。
「穿刺部位や針の傾き、穿刺時の姿勢、椎間板ヘルニアの存在、術中体位、等が重なり高比重局所麻酔薬の流れの変化と停滞が起きた」と考えるよりは、「針による脊髄円錐の直接損傷」の方がずっと確率が高いと考えます。
しかし、その場合、局所麻酔薬がクモ膜下腔のさらに限定的な局所に停滞するわけですから、局所麻酔薬の拡がりが十分ではなくなるために、麻酔の効果出現に時間がかかったり、手術部位をカバーできるだけの十分な麻酔にはならない可能性も高いと思います。
にゃんこ様の麻酔自体は、手術野を十分にカバーするだけの十分な麻酔が実施されたようなので、「高比重局所麻酔薬の流れの変化と停滞が起きた」と考えるのは不自然としか言いようがありません。
また、私の知識の中では、「局所麻酔薬の神経毒性」=「脱髄(シュワン細胞=ミエリンの壊死脱落)」しかないのですが、もしも、にゃんこ様の症状の原因が、局所麻酔薬の神経毒性であるならば、局所麻酔薬が作用した神経に脱髄が起こり、その結果として知覚低下や運動麻痺が生じると考えられるのですが、その場合には、患側の神経電動速度検査で「潜時の遅延」が生じる(!)はずなのです。
「神経伝導速度検査の麻痺していない足の足首に潜時の延長がみられた以外は基準範囲内であった」という検査結果は、患側の症状の原因が「脱髄ではない」、つまり、「局所麻酔薬の神経毒性」が原因ではないということを証明しているように思います。
「神経伝導速度検査の麻痺していない足の足首に潜時の延長がみられた以外は基準範囲内であった」という検査結果がありながら、症状の原因は「局所麻酔薬の神経毒性によるもの」と診断している過程には、はなはだ矛盾が存在し、このような矛盾を(素人相手だから?)平気で述べるセカンドイピニオンは「患者を馬鹿にしている」としか・・・。
(1)L2-3 穿刺は現代的麻酔医療では標準的とは言えない。
(2)局所で麻酔薬の拡散が障害されて高濃度になったことを裏付ける臨床所見が皆無である。
(3)神経伝道速度測定結果は、局所麻酔薬による神経毒性が原因であることをむしろ否定している。
以上、当該病院側とセカンドオピニオンの主張に対しては3点で納得がいきません。
感謝いたします!
先生の言われているように、全く詳しくない麻酔学に対して、私と私の家族に適当に説明をしたのだと思います!
説明を受けた時に、麻痺から10日が過ぎていて一向に動かない足にパニックになっていた私は、泣いているだけで疑問も感じなかったのですが、精神的に落ち着いてきたときに
「何か変?」
「本当かな?」…の疑問が沢山湧いてきて、本当の真実を知りたくなり、知恵袋で知り合った麻酔科医に情報をもらい、アスクドクター(有料サイト)で、質問をしながら知識を深めたり、良いとされる薬剤を調べて、私から指示をして処方をしてもらっていました!
通常なら考えられない事ですが、言えば何でも薬を出す!…主治医でした。
結果的には、フェントステープ4mg.で麻薬中毒状態にまでなり、この病院の限界を感じて、、、ペインクリニックへの受診を当初は否定的であった主治医が、私が探してきた受診可能な某大学病院へと紹介状を書き、今に至ります。
ある時主治医に質問をしました!
「L5~以下が麻痺してしまったのなら、元々麻酔手技をL4~5又はL5~S1間でしていたら麻痺はしなかったのではないか?」と。
すると、主治医は、、、
「何処で穿刺していても結果は同じであった。
貴女の感受性が高かったのでしょうね」
…と説明をしました。
本当に知らなかったのでしょうか?、
脊椎専門医も一緒に診察、診断をしたのに解らなかったのでしょうか?
あの時の顔が目に浮かびます💦
ちなみに、セカンドオピニオンを受けた大学病院は、神経毒性について研究をされており論文も出されていました。。。
麻痺から3ヶ月が経過していましたが、
動く事が大変な中、杖を着きながらやっと…行ったのに。。。⤵️
セカンドオピニオンを踏まえても、
「そうですね、穿刺部位が異なれば結果は違っていたかもしれませんね」と答えるのが常識的と思います。
それに、にゃんこ様は、以前に硬膜外麻酔と脊椎麻酔を経験しておられて、そのいずれも異常な経過でなかったことからも「貴女の感受性が高かった」とは言えない、つまり「局所麻酔薬の神経毒性に対して特異的に感受性が高いということはない」ことは明白です。「数年の間に体質が変わって、局所麻酔薬の神経毒性に対して特異的に感受性が高くなった可能性がある」と言えば、その可能性がゼロではないにしろ、言い訳にしか聞こえません。
セカンドオピニオンにMRI画像が添付されていなかったという点が腑に落ちませんね。セカンドオピニオンを得るに当たっては、絶対に必要な検査結果です。本当に脊髄円錐にも馬尾にも何の所見もないのであれば、病院側としても病院の主張を裏付ける非常に重要な検査結果になります。
MRI画像に決定的な証拠があったから、意図的に添付しなかったと考えたくなりますね。
若干お金はかかりますが、MRI画像をCD-Rやフィルムに焼き付けて患者様が入手することはできます。そもそも、診療録も検査結果も、MRI画像も、すべては病院のものではなくて患者様のものです。要請があれば病院は拒否できません。
決定的証拠が映っている可能性のあるMRI画像が添付されてない(当該病院の医師の主観で書いた文字列から成る)診療情報だけで得られたセカンドオピニオンなどは「無効」と考えて差し支えないと思います。
2 例ともMRI上に異常所見が認められています。脊椎穿刺後に永続的脊髄障害をきたした症例群をまとめている表がありますが、16 例中 11 例で MRI 画像上に異常所見が認められています。 http://www.neurologyindia.com/viewimage.asp?img=ni_2016_64_4_808_185349_t3.jpg
馬尾と脊髄円錐は非常に近接した場所にあり、臨床所見だけからでは鑑別不可能で、どこに病変があるのかは MRI 画像が絶対に必要です。
疑問に思える症例論文を目にしたので先生のご意見をおききしたくて、、、
久しぶりの質問をさせて頂きます!
私が、今までに過去に同じ局所麻酔薬(マーカイン)で2回の脊椎麻酔を経験していることは、以前にもお話ししていますが、「過去に同じ麻酔薬で神経障害などの症状が無かったのに、今回だけが特別に感受性が高かったと言うのは有り得ない」ーと思ってきました。
実際、その様に書かれている症例論文もあります!
先生にもその様に言われましたよね!
しかし、こんかい読んだ症例論文では、
「過去に2回の脊椎麻酔の経験が有ることで、局所麻酔薬の神経毒性に2度さらされていることで、何らかの変性を起こしていたのでは無いかという可能性がある」…と、いう論文を読み疑問に思いました?
2度の脊椎麻酔を受けていれば、3度目には、、、それ以上の回数でも神経毒性にさらされた回数が多いと馬尾神経は損傷を受けやすくなっている!!
…ということでしょうか??
今まで思ってた事、読んだ論文とは全く違う内容でしたので質問させて頂きたいです!
(日本国内の麻酔科からの論文です)
>「過去に2回の脊椎麻酔の経験が有ることで、局所麻酔薬の神経毒性に2度さらされていることで、何らかの変性を起こしていたのでは無いかという可能性がある」
「何らかの変性」って何ですか?それは神経に変性があっても無症状な変性ですか?具体的にはどういう性質の変性を疑っておられるのでしょうか?
個人的な意見としては、クモ膜下穿刺の手技については全く問題がなかったとしても、そのような何の根拠もない単なる推測の可能性(それが真実である確率)よりも、人為的なミス、例えば、
・クモ膜下に注入した薬液に消毒薬が混入してしまっていた。
・製造過程で高濃度の薬液が調整されてしまっていた。
や、患者側の病因として
・もともと脊髄神経に局所麻酔薬の毒性が発揮されやすいような病理学的変化が2回目の脊椎麻酔を受けた後に発生していた。
といった確率の方がはるかに高いと思います。
マーカインによる脊椎麻酔を複数回受けている患者の方が、単回脊椎麻酔を受けた患者よりも、障害をきたす確率が、単回時の障害発生確率✖回数よりも有意に高いということが証明されなければ、単なる憶測にすぎません。
私も、驚いて「どの様な意味なのか?」…と疑問に思って先生にご連絡をしてしまいました。
麻酔:2002年10月
麻酔:51巻10号に、「ジブカインによる脊髄くも膜下麻酔後に馬尾症候群を生じた1症例」…という症例論文を読んでいると、
「過去2回の脊髄くも膜下麻酔時の硬膜穿刺の結果、硬膜の癒着や変性を生じ、拡散障害に関与した可能性もある」
「複数回の脊髄くも膜下麻酔の既往である。くも膜下腔内で局所麻酔薬の拡散障害が起き、高濃度の局所麻酔薬が神経障害を起こした起こした可能性がある。」「症状に現れない軽度の神経障害が繰り返されることによって神経障害を受けやすくなると推測できる。」
…等が、書かれていたので、単回の脊椎麻酔より複数回受けている脊椎麻酔では、馬尾症候群になりやすい…と書かれていると思われますが違いますか?
今回の症例論文は、私の協力者が送って来たものでして、、、どちらの病院のものかは解りませんが…?
>「複数回の脊髄くも膜下麻酔の既往である。くも膜下腔内で局所麻酔薬の拡散障害が起き、高濃度の局所麻酔薬が神経障害を起こした起こした可能性がある。」「症状に現れない軽度の神経障害が繰り返されることによって神経障害を受けやすくなると推測できる。」
>…等が、書かれていたので、単回の脊椎麻酔より複数回受けている脊椎麻酔では、馬尾症候群になりやすい…と書かれていると思われますが違いますか?
そういう意味です。でも、そんなことは当然すぎて活字にする必要がありません。道路を一回横断するよりも、複数回横断する方が交通事故にあって怪我をする確率が高くなります。階段を1段上るよりも、10段上る方が捻挫をする可能性が高くなります。
複数回の脊椎麻酔を受けた方が、当然、薬液の神経毒性についても複数回暴露による変性が閾値を超えたために症状発現する可能性が高くなりますが、手技に伴う脊髄外傷の頻度も高くなります。
ちなみにジブカインは、神経毒性が強いことから、現在ではほとんど使用されることはありません。
にゃんこさんの場合には、同じ薬液を使用して複数回の脊髄穿刺を受けていますが、3回目の麻酔時が以前のと異なっていた点は、「激痛があった」という点で、麻痺の原因は、薬液の神経洞性のせいではなくて、穿刺上の手技ミスが原因だと考えるのが妥当だと思います。
いろいろな症例報告があるとは思います。穿刺時になんの症状もなかったのに、麻痺をきたした場合には、神経毒性とかに原因を求めざるを得ないので、いろんな可能性を考えて推測して、論文として考察を記述します。
そういった症例とにゃんこさんの場合を同じ土俵で考えるのは、そもそもおかしいと思います。
色んな症例が有りますが、私の症例は私だけの場合ですよね!
先生にハッキリと言って貰えて嬉しく思います(^_^)v
穿刺部位がL2~3で、激痛の穿刺手技があって、その後に麻痺をした!
…って、シンプルな症例だと思うのですが、、、。
主治医が「麻酔手技の為でなく、麻酔薬剤の副作用です」…と、言った時から、変な方向に向いてしまったんだと思います。
グチャグチャしていた時に…
偶然にも、先生に巡り合う事がこのネット上でできて、本当に良かったです
先生からの沢山のコメント、論文を読んでいて本当に勉強になり、私の励みにもなりました。
そして、やっと何とか自分が納得できる結果になります。
また、質問が有ったときには、突然出没するにゃんこ?ですが、ヨロシクお願いします?⤵️