急性冠動脈症候群でのヘモグロビン値と臨床転帰の関連

Association of Hemoglobin Levels With Clinical Outcomes in Acute Coronary Syndromes

Circulation. 2005;111:2042-2049

・急性冠動脈症候群(ACS)の状況では、貧血は心筋虚血を悪化させる可能性がある。しかし、ACSで貧血を臨床予後と関連づけているデータは依然として少ない。

・ACSの臨床試験に登録される患者39 922人で、ベースラインのヘモグロビン値と30日間の重度心血管有害事象との関係を調べた。基本特性と入院治療指標の調整後、ベースラインのヘモグロビン値と重度心血管有害事象との間には逆J形の関係が観察された。ST上昇型心筋梗塞患者で、Hb=14~15g/dLの患者を対照とした場合、Hbが14未満に低下すると、心血管死亡率が増加し、Hb値1g/dL低下あたりの調整済みオッズ比ORは1.21(95%CI 1.12~1.30、P<0.001)であった。逆にHbが高い側では、Hb>17g/dLでは、死亡率が高かった(OR 1.79、95%CI 1.18~2.71、P=0.007)。非ST上昇型ACSでは、Hb=15~16g/dLの患者を対照とした場合、Hbが11未満に低下すると、心血管死、心筋梗塞または虚血再発の見込みが増加し、Hb値1g/dL低下あたりの調整済みORは1.45(95%CI1.33~1.58、P<0.001)であった。Hb>16g/dLの患者もまた、死亡率または虚血イベントの増加(OR 1.31、95%CI 1.03~1.66、P=0.027)を認めた。

・貧血は、ACS(急性冠症候群)に含まれる患者においては、重症の有害事象の強力で独立した予測因子である。

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