手術中のヒト・ヘルパーT細胞の分化に及ぼすプロポフォールとセボフルラン麻酔の効果
Effects of propofol anesthesia and sevoflurane anesthesia on the differentiation of human T-helper cells during surgery
Chinese Medical Journal, 2011, Vol. 124 No. 4:525-529
・外科的ストレスはヘルパーT細胞タイプ2(Th2)-優位な状態を引き起こして、Th1/Th2サイトカインバランスを妨げる。麻酔は手術に対するストレス反応を抑制するので、したがって、それはTh1/Th2比率の不均衡を防止するかもしれない。本研究では、我々はプロポフォール麻酔とセボフルラン麻酔がTh1/Th2サイトカインバランスに影響するかどうか、そして、どちらの麻酔法がこの比率を減らすか調査した。
・腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けるASA-Ⅰの28人の患者が選ばれた。14人ずつの2群に無作為に割り当てられた。Ⅰ群はTTCIポンプでプロポフォール麻酔を、Ⅱ群はセボフルラン麻酔を受けた。非観血血圧、心拍数、ETco2分圧を麻酔中にモニターした。麻酔の深さは、BISを使用して測定し、50~60を維持した。術中にBISに従ってプロポフォールとセボフルランを調節した。末梢血検体を、麻酔導入前(T1)、麻酔導入後(T2)、手術開始時(T3)、手術終了時(T4)、手術後第1病日(D1)に採取した。血液サンプルは、Th1/Th2比率とコルチゾールの血漿濃度を測定するために分析された。
・非観血血圧、心拍数、ETco2分圧は、2群間で大きな差はなかった。T4で、T1細胞比率は、Ⅰ群で有意に高値であった(P<0.05)。T2細胞比率は、2群で有意差はなかった。T4で、Th1/Th2比率の差は、有意に異なっていた。T3、T4、D1で、コルチゾールの血漿濃度は、Ⅰ群(P<0.05)で低かった。
・セボフルラン麻酔に比して、プロポフォールはTh細胞を望ましくTh1細胞に分化するよう促進して、外科的ストレスを防止することができる。プロポフォールは、外科手術患者で免疫保護的に作用するかもしれない。
[!]:揮発性の麻酔薬は全身的に細胞レベルで効くので、いろいろな過程を抑制する。炎症反応や免疫反応自体も抑制して、当然リンパ球の分化も抑制するだろうから、プロポフォールの方が相対的に分化を促進するだろう。外科手術後には、T1/T2バランスはどうあるのが好ましいのだろうか? その辺がどうなのか分からないので、この論文の言っていることが正しいのかどうか判断しかねる。
Chinese Medical Journal, 2011, Vol. 124 No. 4:525-529
・外科的ストレスはヘルパーT細胞タイプ2(Th2)-優位な状態を引き起こして、Th1/Th2サイトカインバランスを妨げる。麻酔は手術に対するストレス反応を抑制するので、したがって、それはTh1/Th2比率の不均衡を防止するかもしれない。本研究では、我々はプロポフォール麻酔とセボフルラン麻酔がTh1/Th2サイトカインバランスに影響するかどうか、そして、どちらの麻酔法がこの比率を減らすか調査した。
・腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けるASA-Ⅰの28人の患者が選ばれた。14人ずつの2群に無作為に割り当てられた。Ⅰ群はTTCIポンプでプロポフォール麻酔を、Ⅱ群はセボフルラン麻酔を受けた。非観血血圧、心拍数、ETco2分圧を麻酔中にモニターした。麻酔の深さは、BISを使用して測定し、50~60を維持した。術中にBISに従ってプロポフォールとセボフルランを調節した。末梢血検体を、麻酔導入前(T1)、麻酔導入後(T2)、手術開始時(T3)、手術終了時(T4)、手術後第1病日(D1)に採取した。血液サンプルは、Th1/Th2比率とコルチゾールの血漿濃度を測定するために分析された。
・非観血血圧、心拍数、ETco2分圧は、2群間で大きな差はなかった。T4で、T1細胞比率は、Ⅰ群で有意に高値であった(P<0.05)。T2細胞比率は、2群で有意差はなかった。T4で、Th1/Th2比率の差は、有意に異なっていた。T3、T4、D1で、コルチゾールの血漿濃度は、Ⅰ群(P<0.05)で低かった。
・セボフルラン麻酔に比して、プロポフォールはTh細胞を望ましくTh1細胞に分化するよう促進して、外科的ストレスを防止することができる。プロポフォールは、外科手術患者で免疫保護的に作用するかもしれない。
[!]:揮発性の麻酔薬は全身的に細胞レベルで効くので、いろいろな過程を抑制する。炎症反応や免疫反応自体も抑制して、当然リンパ球の分化も抑制するだろうから、プロポフォールの方が相対的に分化を促進するだろう。外科手術後には、T1/T2バランスはどうあるのが好ましいのだろうか? その辺がどうなのか分からないので、この論文の言っていることが正しいのかどうか判断しかねる。
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