僧帽弁手術を受ける冠動脈疾患患者でセボフルラン vs プロポフォール:無作為研究
Sevoflurane vs. propofol in patients with coronary disease undergoing mitral surgery: a randomised study
Acta Anaesthesiologica Scandinavica Article first published online: 21 NOV 2011
・リスクの低いCABGを受ける患者では、揮発性麻酔薬によって虚血性心筋傷害が軽減される;他の状況では、矛盾する結果は稀だが存在する。そこで、本研究では無作為対照試験(セボフルラン vs プロポフォール)を行って、僧帽弁手術を受ける冠動脈疾患患者で心臓トロポニン放出を比較した。
・僧帽弁手術を受ける冠状動脈疾患患者は、主たる鎮静薬としてセボフルラン(50人)か、プロポフォール(50人)を投与されるよう無作為に割り当てられた。研究の一次エンドポイントは、ICU到着時、その4時間後、術後第一および第二病日の測定値のうちの最高値と定義した術後心臓トロポニン放出最高値であった。
・術後のトロポニン放出最高値は、セボフルラン群とプロポフォール群で、それぞれ中央値(第25~75%)が14.9(10.1-22.1)ng/ml と 14.5(8.8-17.6)ng/mlであり有意差がなかった(P=0.4)。フェンタニル投与量は、2群間で異なっていた:セボフルラン投与患者で 1347±447μg とプロポフォール投与患者で1670±469μg(P=0.002)。1年間の追跡調査で、プロポフォール群で2患者(1例は心筋梗塞、1例は低心拍出量症候群)、セボフルラン群で1例(心筋梗塞)の死亡例が確認された。
・本研究では、僧帽弁手術を受ける冠状動脈疾患患者では、ハロゲン化麻酔薬の心臓保護特性の利点は得られなかった。プロポフォール麻酔と比較して、セボフルラン麻酔は心臓トロポニン放出を低下させることに関連しなかった。
[!]:単に冠動脈疾患があるだけではだめで、積極的な虚血をきたす状況がないと差が出ないのかな。
Acta Anaesthesiologica Scandinavica Article first published online: 21 NOV 2011
・リスクの低いCABGを受ける患者では、揮発性麻酔薬によって虚血性心筋傷害が軽減される;他の状況では、矛盾する結果は稀だが存在する。そこで、本研究では無作為対照試験(セボフルラン vs プロポフォール)を行って、僧帽弁手術を受ける冠動脈疾患患者で心臓トロポニン放出を比較した。
・僧帽弁手術を受ける冠状動脈疾患患者は、主たる鎮静薬としてセボフルラン(50人)か、プロポフォール(50人)を投与されるよう無作為に割り当てられた。研究の一次エンドポイントは、ICU到着時、その4時間後、術後第一および第二病日の測定値のうちの最高値と定義した術後心臓トロポニン放出最高値であった。
・術後のトロポニン放出最高値は、セボフルラン群とプロポフォール群で、それぞれ中央値(第25~75%)が14.9(10.1-22.1)ng/ml と 14.5(8.8-17.6)ng/mlであり有意差がなかった(P=0.4)。フェンタニル投与量は、2群間で異なっていた:セボフルラン投与患者で 1347±447μg とプロポフォール投与患者で1670±469μg(P=0.002)。1年間の追跡調査で、プロポフォール群で2患者(1例は心筋梗塞、1例は低心拍出量症候群)、セボフルラン群で1例(心筋梗塞)の死亡例が確認された。
・本研究では、僧帽弁手術を受ける冠状動脈疾患患者では、ハロゲン化麻酔薬の心臓保護特性の利点は得られなかった。プロポフォール麻酔と比較して、セボフルラン麻酔は心臓トロポニン放出を低下させることに関連しなかった。
[!]:単に冠動脈疾患があるだけではだめで、積極的な虚血をきたす状況がないと差が出ないのかな。
この記事へのコメント