■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2011-11-25
【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (n_______________) : 神経伝達物質 (2) (p______) (b______) : タンパク結合 (3) (__________y) : カプノグラフィ (4) (_______a) : 無酸素血 (5) (c__________) (a_____) : 循環停止 |
[解答]
(1)neurotransmitter | (2)protein binding |
(3)capnography | (4)anoxemia |
(5)circulatory arrest |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(代謝) 肥満患者について正しいのはどれか? | ア:肥満患者の裂孔ヘルニアや胃逆流の発生率は非肥満患者と変わらない。 イ:肥満患者では全肺容量は減少する。 ウ:肥満患者では脂溶性薬物の半減期が短くなる。 エ:BMIの正常値は20~25である。 オ:肥満患者では親水性、水溶性薬物の半減期は非肥満患者よりも短くなる。 |
[解説] ア:×:肥満患者では腹腔内圧や胃内圧が上昇し、裂孔ヘルニアや胃逆流が起こりやすい。
イ:○:肥満患者では、胸壁が厚くなって胸壁コンプライアンスが低下し、横隔膜の可動域も制限され肺活量の減少とともに全肺容量は減少する。
ウ:○:肥満患者では、オピオイド、ベンゾジアゼピン、バルビタールなどの脂溶性の静脈麻酔薬は分布容量が大きくなり、半減期が短くなるため、血中濃度も低くなり、クリアランス値も小さくなる。
エ:○:BMIの正常値は20~25である。一般にBMIが35を超えると超肥満とされる。厚生労働大臣が定める「麻酔が困難な患者」に該当するのもBMI>35である。
オ:×:肥満患者では親水性、水溶性薬物の半減期は非肥満患者と変わらない。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p358~363
【問題3】(代謝) 周術期の肝障害について正しいものはどれか? | ア:Child分類で肝胆道系疾患の手術予後を予測できる。 イ:高非抱合型ビリルビン血症では抱合型が30%以下である場合と定義される。 ウ:B型肝炎患者から針刺し事故を起こした場合は、B型肝炎ワクチンを接種する。 エ:門脈シャント手術後の死亡率は、Child分類 class A で10%であった。 オ:肝硬変患者では、混合静脈血の酸素飽和度は健常人よりも高くなる。 |
[解説] ア:○:Child分類は、もともとは門脈シャント手術を受ける患者のリスクを分類するために用いられていたが、この分類で肝胆道系疾患の手術予後を予測できることが明らかとなった。また、一般的には非手術患者の予後とも相関している。
イ:×:高非抱合型ビリルビン血症では、総ビリルビンに占める抱合型が15%以下である場合と定義される。
ウ:○:B型肝炎患者から針刺し事故を起こした場合は高力価HBsAg免疫グロブリンを投与する。その後、B型肝炎ワクチンを接種する。
エ:○:門脈シャント手術後の死亡率は、Child分類 class A、B、C で各10、31、76%であった。
オ:○:肝硬変患者では、血管拡張によって循環血漿量が増え、末梢の血流量も増加する。末梢で血流シャントが増加するために、動静脈の酸素含量格差が減少する。その結果として混合静脈血の酸素飽和度は健常人よりも高くなる。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p305-311
【問題4】(心臓・血管) 経胸壁心エコー(TTE)による左房内j血栓の診断率は・・・? | 1) 50~70%である。 3) 30%以下と低い。 5) 90%以上と良好である。 | 2) 30~50%である。 4) 70~90%である。 |
[解説] 左房内血栓の確認には,経胸壁よりも経食道エコーが有用である。
1)左房内血栓は経胸壁心エコー(TTE)では,その診断率は低く30%以下である.これに対して経食道エコー(TEE)は左房,とくに血栓の好発部位である左心耳を明瞭に描出できる.また左房内の血流停滞時に認められるもやもやエコーも,高頻度にとらえることができる.
2)MSでAfを伴う患者にPTMCを施行する場合や,心原性塞栓症を認めるAfの患者に対しては,TTEで左房内血栓が認められないからといって安心してはいけない.
[正解] 3 [出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識 循環器編
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