術中換気:全身麻酔中の過大な1回換気量を設定される頻度と危険因子
Intraoperative ventilation: incidence and risk factors for receiving large tidal volumes during general anesthesia
BMC Anesthesiology 2011, 11:22doi:10.1186/1471-2253-11-22 Published 21 November 2011
・肺障害のない患者で、換気による過膨張が、有害な作用を及ぼす可能性に関しての懸念が増大しつつある。術中の換気設定に関しては正式なガイドラインは存在しないが、健康な患者では予測体重(PBW)当たりで10mL/kg未満の1回換気量(VT)の使用が推奨されてきた。本研究では、過大な1回換気量(VT>10mL/kg PBW)を受ける事象の発生率とその危険因子を調査した。
・我々は前向きに収集した周術期電子的データベースの断面分析を実施して、現在の通常行われている術中換気と、過大な1回換気量(VT>10mL/kg PBW)を受ける危険因子を得た。長時間(4時間以上)に及ぶ待機的腹部手術を受ける全成人患者を対象として、人口動態学的、術前(合併症)、術中(すなわち換気設定、輸液投与)、術後(転帰)の情報を収集した。単変量、およびロジスティック回帰分析を使用して、呼気一回換気量>10mL/kg PBWを受けた患者群を、8-10、または<8mL/kg PBWを受けた患者群と比較した。
・換気設定は、分析に含まれた429人の成人で不均一であった。 全患者の17.5%がVT>10mL/kg PBW を受けた。全肥満患者(BMI≧30)の34.0%、身長<165cm の全患者の51%、全女性患者の34.6%が、VT>10mL/kg PBW を受けていた。
・PBWとの相関が低いので意図的ではないことが示唆されるが、VT>10mL/kg PBW による換気はまだよく見られる。BMI[≧30]、女性、身長<165cm の場合に、全身麻酔中に過大な一回換気量を受けやすくなる可能性がある。患者身長とPBWをもっと意識して、術中の換気の設定を改善する必要がある。臨床転帰に及ぼす影響は確認する必要がある。
[!]:脂肪組織は、エネルギー消費が少ないので、脂肪除去体重の方が実際の酸素消費、二酸化炭素産生量の推定に有利だ。肥満患者、女性、低身長では、1回換気量の設定に注意しろということだ。
BMC Anesthesiology 2011, 11:22doi:10.1186/1471-2253-11-22 Published 21 November 2011
・肺障害のない患者で、換気による過膨張が、有害な作用を及ぼす可能性に関しての懸念が増大しつつある。術中の換気設定に関しては正式なガイドラインは存在しないが、健康な患者では予測体重(PBW)当たりで10mL/kg未満の1回換気量(VT)の使用が推奨されてきた。本研究では、過大な1回換気量(VT>10mL/kg PBW)を受ける事象の発生率とその危険因子を調査した。
・我々は前向きに収集した周術期電子的データベースの断面分析を実施して、現在の通常行われている術中換気と、過大な1回換気量(VT>10mL/kg PBW)を受ける危険因子を得た。長時間(4時間以上)に及ぶ待機的腹部手術を受ける全成人患者を対象として、人口動態学的、術前(合併症)、術中(すなわち換気設定、輸液投与)、術後(転帰)の情報を収集した。単変量、およびロジスティック回帰分析を使用して、呼気一回換気量>10mL/kg PBWを受けた患者群を、8-10、または<8mL/kg PBWを受けた患者群と比較した。
・換気設定は、分析に含まれた429人の成人で不均一であった。 全患者の17.5%がVT>10mL/kg PBW を受けた。全肥満患者(BMI≧30)の34.0%、身長<165cm の全患者の51%、全女性患者の34.6%が、VT>10mL/kg PBW を受けていた。
・PBWとの相関が低いので意図的ではないことが示唆されるが、VT>10mL/kg PBW による換気はまだよく見られる。BMI[≧30]、女性、身長<165cm の場合に、全身麻酔中に過大な一回換気量を受けやすくなる可能性がある。患者身長とPBWをもっと意識して、術中の換気の設定を改善する必要がある。臨床転帰に及ぼす影響は確認する必要がある。
[!]:脂肪組織は、エネルギー消費が少ないので、脂肪除去体重の方が実際の酸素消費、二酸化炭素産生量の推定に有利だ。肥満患者、女性、低身長では、1回換気量の設定に注意しろということだ。
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