■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2011-11-11
【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (o________) (s_____) : 手術侵襲 (2) (o________) (r___) : 手術室 (3) (i______________) : 不可逆性 (4) (c________) : 結腸切除 (5) (a____________) (m___________) : 動静脈奇形 |
[解答]
(1)operative stress | (2)operating room |
(3)irreversibility | (4)colectomy |
(5)arteriovenous malformation |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(自律神経) 自律神経系について正しいのはどれか? | ア:自律神経節に存在するコリン作動性受容体はニコチン様受容体である。 イ:ニコチン様受容体の刺激で膀胱の括約筋は弛緩する。 ウ:アセチルコリンエステラーゼはシナプス後膜に存在する。 エ:α2受容体の刺激によりノルアドレナリンの遊離は抑制される。 オ:β1遮断薬は脂肪分解を促進する。 |
[解説] ア:○:自律神経節に存在するコリン作動性受容体はニコチン様受容体である。神経筋接合部に存在するコリン作動性受容体もニコチン様受容体である。
イ:×:ムスカリン様受容体の刺激で膀胱は収縮し、括約筋は弛緩する。
ウ:○:アセチルコリンエステラーゼはシナプス後膜に存在する。
エ:○:α2受容体の刺激によりノルアドレナリンの遊離は抑制される。
オ:×:β1受容体の刺激により脂肪分解は促進されるので、β1遮断薬は脂肪分解を阻害する。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p1-7
【問題3】(体位) 全身麻酔中の体位について正しいのはどれか? | ア:側臥位で枕が低過ぎた状況で起こる神経麻痺は上腕神経麻痺である。 イ:砕石位では腓骨神経麻痺より脛骨神経麻痺の方が起こりやすい。 ウ:トレンデレンブルグ体位ではFRCは減少しない。 エ:坐位では側臥位に比べ死腔の増大が著しい。 オ:右側を下にした腎位では左側を下にするよりも低血圧が起こりやすい。 |
[解説] 腕神経叢は、頚部では頚椎の横突起、上腕では腋窩筋膜で固定されている。側臥位で枕が低過ぎると、頭とshoulder tipとの角度が広がるので、上記2点間で神経叢が伸展され、上腕神経麻痺を起こす。砕石位では、脚支持器、あるいは固定用ベルトによる腓骨小頭部の圧迫により腓骨神経麻痺が起こる。テレンデレンブルグ体位では、肺コンプライアンスとFRCの減少が起こる。坐位に比べ側臥位の方が死腔の増加が著しい。下大静脈は脊柱の前を腹部大動脈の右に沿って上行するので、右側を下にした腎位では静脈灌流の減少のために血圧の急激な低下をきたすことがある。
[正解] (ア)、(オ) [出典] 第34回麻酔指導医認定筆記試験:A2
【問題4】(心臓・血管) 超音波診断装置について正しいのはどれか。 | ア:横波は生体軟部組織中はほとんど伝搬しない。 イ:距離分解能とは、超音波のビーム方向に垂直に接した2点を識別する分解能であり、ビーム幅で決まる。 ウ:空間分解能には、距離分解能、方位分解能、スライス方向分解能がある。 エ:超音波画像のアーチファクトは、屈折、反射、指向特性、減衰などによって生じた画像のひずみや虚像である。 オ:超音波の生体組織内での減衰は吸収が主である。 |
[解説] ○:横波は、粒子の振動方向と直交した方向に伝搬する波であるが、生体軟部組織中はほとんど伝搬しない。
×:距離分解能とは、超音波のビーム方向に並んだ2点を識別する分解能であり、パルス幅が短い(周波数が高い)ほど得られる超音波画像の分解能が良く、鮮明な像になる。
○:空間分解能には、距離分解能、方位分解能、スライス方向分解能がある。
○:超音波画像のアーチファクトは、屈折、反射、指向特性、減衰などによって生じた画像のひずみや虚像である。
○:生体内における超音波の減衰には、吸収減衰、拡散減衰、散乱減衰などがある。吸収減衰とは、音響エネルギーが媒質中に吸収されて熱に変換されることが原因で起こる減衰である。超音波診断装置で主に用いられる数MHzの周波数帯では、生体組織の減衰は吸収が主と考えられる。
[正解] ア、ウ、エ、オ [出典]
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