心臓手術後の痙攣:トラネキサム酸とその他の危険因子の影響
Seizures following cardiac surgery: the impact of tranexamic acid and other risk factors
Canadian Journal of Anesthesia published online 08 November 2011
・心臓手術後の痙攣発作は、重症合併症である。 抗線維素溶解剤トラネキサム酸(TA)は、向痙攣特性を持つことが知られており、術後痙攣発作と関係している場合がある。本研究では、TAと心臓手術後の痙攣の他の危険因子との関係を調査しようとした。
・われわれは連続的な心臓手術患者(2003年4月~2009年12月)のデータベースを多変量ロジスティック回帰分析を使用して分析し痙攣の危険因子を評価した。
・発作は、患者5,958人のうち56人(0.94%)に発生した。TAの使用は、発作のリスク増加と関係していた(オッズ比 7.4、95%信頼区間2.8-19.3;P<0.001)。多変量ロジスティック回帰分析で、以下の要因が発作と有意に関係していることが分かった:TA使用;APACHE?スコア>20;術前心停止;術前の神経学的疾患;心腔を開ける手術;心肺時間>150分;心臓手術の既往。発作は、手術終了後、中央値で5.3時間(四分位領域2.4-15.1時間)後に発生した。全体で、58.1%は大発作であり、14.5%は脳梗塞と関係しており、58.1%は入院中に再発した。結局は、患者の48.3%は、退院前に抗痙攣薬を中止することができた。非発作群と比較して、発作患者はせん妄や脳梗塞と定義される術後神経学的合併症の発生率が高く(3.2% vs 19.6%(P<0.001)、ICU収容期間が長く(1.0 vs 4.7日、P<0.001)、ICU死亡率(1.4% vs 9.7%、P=0.001)が高かった。
・今回のデータから、TAを含む複数の危険因子が心臓手術後の痙攣発作と関係していることが示唆される。このように、TAの投与は、術後の痙攣発作に対して容易に修正可能な危険因子であるかもしれない。
[!]:へ~、トラネキサム酸が術後けいれんの原因になることがあるのか。だからといって、投与を控えるのは難しいが。
Canadian Journal of Anesthesia published online 08 November 2011

・われわれは連続的な心臓手術患者(2003年4月~2009年12月)のデータベースを多変量ロジスティック回帰分析を使用して分析し痙攣の危険因子を評価した。
・発作は、患者5,958人のうち56人(0.94%)に発生した。TAの使用は、発作のリスク増加と関係していた(オッズ比 7.4、95%信頼区間2.8-19.3;P<0.001)。多変量ロジスティック回帰分析で、以下の要因が発作と有意に関係していることが分かった:TA使用;APACHE?スコア>20;術前心停止;術前の神経学的疾患;心腔を開ける手術;心肺時間>150分;心臓手術の既往。発作は、手術終了後、中央値で5.3時間(四分位領域2.4-15.1時間)後に発生した。全体で、58.1%は大発作であり、14.5%は脳梗塞と関係しており、58.1%は入院中に再発した。結局は、患者の48.3%は、退院前に抗痙攣薬を中止することができた。非発作群と比較して、発作患者はせん妄や脳梗塞と定義される術後神経学的合併症の発生率が高く(3.2% vs 19.6%(P<0.001)、ICU収容期間が長く(1.0 vs 4.7日、P<0.001)、ICU死亡率(1.4% vs 9.7%、P=0.001)が高かった。
・今回のデータから、TAを含む複数の危険因子が心臓手術後の痙攣発作と関係していることが示唆される。このように、TAの投与は、術後の痙攣発作に対して容易に修正可能な危険因子であるかもしれない。
[!]:へ~、トラネキサム酸が術後けいれんの原因になることがあるのか。だからといって、投与を控えるのは難しいが。
この記事へのコメント
脳手術の影響とばかりおもっていたが。