■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2012-01-12
【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (i____________) : イオン泳動/イオントフォレーシス (2) (t_________) (c_______) : 経鼻カテーテル (3) (m____________) : ミオグロビン尿 (4) (a_______) : 自律性 (5) (h______) (i_______) (e_____________) : 低酸素性虚血脳症 |
[解答]
(1)iontophoresis | (2)transnasal catheter |
(3)myoglobinuria | (4)autonomy |
(5)hypoxic ischemic encephalopathy |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(薬理) スキサメトニウムの使用禁忌でないのはどれか. | ア:広範囲熱傷後 3 週以内の患者 イ:重症筋無力症 ウ:悪性高熱症の家族歴 エ:脊髄麻痺 オ:高カリウム 血症を伴う腎不全患者 |
[解説] (ア):(禁忌)高カリウム血症が発生する.
(イ):(可)重症筋無力症では,非脱分極性筋弛緩薬は術後人工呼吸を施行する予定なら使用可能.一方,脱分極性筋弛緩薬の作用については,筋線維の反応が一様でなく,スキサメトニウムで筋弛緩が得られない場合がある.また,抗コリンエステラーゼ薬が使用されていると,脱分極性筋弛緩薬の作用が長びく可能性がある.しかし,禁忌ではない.スキサメトニウムは,偽コリンエステラーゼで分解される.洞性徐脈を起こすことがある.
(ウ):(禁忌)本人も悪性高熱症を発生する可能性がある.
(エ):(禁忌)骨格筋よりカリウムが放出され高カリウム血症となる.
(オ):(可)すでに高カリウム血症が存在するとさらにカリウム濃度が上昇し,心室細動の原因となる.
[正解] (イ)、(オ) [出典] Super Hospital 麻酔科
【問題3】(血液) 周術期に抗凝固療法を中断すべきでないのはどれか? | 1) 6ヵ月以内に発症した肺血栓塞栓症患者 3) 深部静脈血栓症患者 5) 心房細動患者 | 2) 生体弁置換術後患者 4) 弁膜症患者 |
[解説] ワーファリン絶対適応=機械弁置換術後患者・6ヵ月以内に発症した肺血栓塞栓症患者。機械弁の血栓化は致命的である。このような症例では、周術期でも抗凝固療法を継続することが望ましい。方法としては、ヘパリン療法に変更(手術4~7日前にワーファリンを中止し、aPTTを対象値の1.5~2倍になるようにヘパリン10000~15000/日の持続静脈内投与)する方法と、ワーファリン漸減中止法(手術3~4日前にワーファリンを漸減して中止し、術当日のTT=40~50%を目標とする)があるが、出血のリスクには差がないが、血栓形成についてはヘパリン療法の方が調節性がよく安全である。
[正解] 1 [出典] 日本臨床麻酔学会誌Vol15-No7-p563
【問題4】(呼吸) 人工呼吸の生体への影響について誤っているのは? | 1) 胸腔内圧の上昇 3) 眼圧の低下 5) 脳圧の上昇 | 2) 心拍出量低下 4) 尿量の減少 |
[解説] 現在行なわれている人工呼吸と言えば、胸腔内陽圧呼吸である。胸腔内陽圧→静脈還流の障害(→脳圧亢進→眼圧亢進)→前負荷の低下→心拍出量低下→尿量減少をきたす。
[正解] 3 [出典] 新版・人工呼吸器の使い方p183
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