経鼻挿管の鼻孔選択に際しての鼻気流速度評価の信頼性

Reliability of assessment of nasal flow rate for nostril selection during nasotracheal intubation
Journal of Clinical Anesthesia Volume 24, Issue 4 , Pages 270-274, June 2012

・研究目的は、経鼻挿管時の鼻孔選択に際し、鼻気流速度評価の信頼性を評価することであった。

・経鼻挿管を必要とする待機的な顎顔面口腔部手術予定の、年齢 18-65歳、ASA リスク分類 Ⅰ・Ⅱの患者 118人を対象とした、大学関連病院の手術室での、前向き無作為二重盲式研究である。患者は、左または右の鼻孔群に無作為化された。麻酔導入前に、口と各鼻孔を通して努力肺活量(FVC)と一秒量(FEV1)を測定した。
選択した鼻孔を通しての気流速度と、鼻出血頻度と経鼻チューブの誘導可能性の関係を評価した。

・左右の鼻孔群間で、鼻出血の頻度と気管チューブ誘導可能性については有意差がなかった。両鼻孔群とも、鼻出血をきたした患者は、鼻出血のなかった患者よりも、FEV1 と FEV1/FVC 値が有意に低かった(P<0.05)。加えて、両群で、チューブを容易に進ませることがでっきた患者では、勧める際にチューブに抵抗があったり、チューブを進めることができなかった患者よりも、FEV1 と FEV1/FVC 値が有意に高かった(P<0.05)。

・鼻孔流速の測定は、経鼻挿管用の鼻孔を選択するのに、臨床上有用な方法である。

[!]:実際的には、口を閉じて片鼻孔ずつ塞いで、勢いよく息を吹き出してもらって、自覚的にどちらがよく通るか聞くのが効率的かな。

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