■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2012-05-25




【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (q___________) : 四肢麻痺

(2) (________t) : 潤滑剤

(3) (a__________) : 大動脈拡張[症]

(4) (a___________) (a______) : アドレナリン[作動性]受容体刺激薬/アドレナリン刺激薬

(5) (r____) (p________) : 酸化還元電位


[解答]
(1)quadriplegia(2)lubricant
(3)aortectasia(4)adrenoceptor agonist
(5)redox potential


[出典] 麻酔科学用語集 第3版




【問題2】(肝・腎・消化管) 周術期に急性腎不全に陥った場合の死亡率はどれくらいか?
1) 40~50%
3) 20~30%
5) 70%以上
2) 10%以下
4) 50%以上


[解説] 周術期に腎不全に陥った場合、その死亡率は50%以上である。周術期に起こる腎不全の頻度は低下してきているが、死亡率は30年間変化していない。ICU患者で呼吸不全・敗血症・肝不全を起こした患者の10~15%は急性腎不全を起こすが、そのほとんどが死亡する。


[正解] 4 [出典] モニタリングから何が分るかP118


■ これって常識? ■
純粋なアルコール性肝障害は,意外に少ない.肝細胞癌はアルコールだけでは発生しない

1)大酒家が肝疾患で死亡した場合,「酒飲みだったので,肝臓で死んだ」などとよくいわれる.しかし,さまざまな検査の進歩により,純粋なアルコール性肝障害は意外と少ないことがわかっている.
2)アルコール性肝障害とされていたものの約半数は,アルコール性+ウイルス性肝障害であるといわれている.
3)アルコール多飲者で,肝細胞癌の症例のほとんどにウイルスの関与が証明されている.
4)大酒家とは,日本酒換算で平均5合/日を10年以上に相当する積算飲酒量を有する者である.
5)以下に,日本酒(15%)1合(180ml)に相当するアルコール飲料の量を示す.
ビール(4.4%)-大瓶 1本(660ml)
焼酎(25%)-コップ 1杯(100ml)
ワイン(12%)-グラス 2杯(220ml)
ウイスキー(43%)-ダブル 1杯(60ml)


[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識~消化器編




【問題3】(中枢神経) 脊損患者の自律神経反射亢進は、通常どのレベル以上の損傷の場合に起こるか?
1) どのレベルでも起こる
3) Th2以上
5) L2以上
2) Th6以上
4) C7以上


[解説] 脊髄は、大脳・脳幹部と身体各部臓器とを結ぶ神経の伝導路であるとともに、体性神経系及び自律神経経の脊髄反射を行う中枢でもある。脊髄損傷患者では、脳レベルの支配は保たれているが、損傷以下の体性神経、自律神経ともにある程度の活動が復活し、特に高位脊髄損傷者では、最終的に麻痺域の自律神経臓器組織にもっと重大な反射亢進が生じる。(autonomic hyperreflexia)臨床的には、第5~6胸髄以上の脊髄損傷者で、麻痺域の刺激その中でも骨盤内臓器(膀胱、直腸)の拡張により高血圧を生じる。


[正解] 2 [出典] 麻酔科Q&Ap259

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