小児患者でラリンジアルマスクのサイズを選択する新しい方法

A novel method for laryngeal mask airway size selection in paediatric patients
European Journal of Anaesthesiology: August 2012 - Volume 29 - Issue 8 - p 386-390
・小児でのラリンジアルマスクの使用がうまくいくかどうかは、ある程度、適切なサイズの選択に依存する。ほとんどの麻酔科医は、しばしば記憶困難な体重を基本とした表にしたがっている。適正サイズをうまく選択できる簡単な方法があれば大変望ましい。

・本研究の目的は、小児の外耳(耳介)の大きさが必要なラリンジアルマスクのサイズの代理指標として使用できるという仮説を検証することであった。サウジアラビア、リアド、King Khaled Eye Specialist Hospital での記述研究である。年齢 6 ヶ月から 15 歳、男女問わず、ASA-1/2、2010 年 3 月 1 日から 12 月 31 日に日常的な眼科手術予定の小児患者 210 人を対象とした。緊急症例や、フルストマック、扁桃肥大以外の口腔咽頭病変の既往がある場合は除外した。外耳の大きさは、最初の 30 人で、縦寸法と横寸法を定規で測定し、残りの患者群では、視覚的に評価した。全症例で、ある程度インフレートしたラリンジアルマスクの最も近い相応サイズを選択し、導入後挿入した。適正留置は、既定の基準を用いて評価された。

・初回の試みで、挿入と良好な換気が 196例(93.3%)で達成された。14 人の患者(6.7%)は 2 回目の試みを要し、失敗の主な理由は、サイズが小さいために聴取できるリークがあることであった。

・小児で、外耳のサイズにしたがってラリンジアルマスクのサイズを選択すると、文献報告にある表を使った方法に匹敵する、93% の成功率と関係していた。この簡易な方法は、ラリンジアルマスクの適正サイズを迅速に選択することができ、いろんな表や公式を覚える必要をなくせるかもしれない。

[!]:気管チューブサイズを小指の太さで近似するのに似た方法だが、耳介に目を付けた点がすばらしい。気管チューブにしろラリンジアルマスクにしろ、年齢や体重といった実際の体の大きさとは直接の相関関係が低そうなパラメータよりは、身長や体のパーツの大きさを変数をとした公式の方が適正サイズの選択には有利に違いない。

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