帝王切開分娩中のオキシトシン投与:静脈内ボーラス投与 vs 静脈内点滴法を比較する無作為対照試験
Oxytocin administration during cesarean delivery: Randomized controlled trial to compare intravenous bolus with intravenous infusion regimen
J Anaesthesiol Clin Pharmacol 2013;29:32-5
・オキシトシンは、帝王切開分娩中に子宮を収縮させるために、ルーチンに投与される。オキシトシンの静脈投与後には、副作用が発生することが知られており、特に頻脈、低血圧、心電図(EKG)変化は高リスク患者では有害となる可能性がある。本研究の目的は、等量のオキシトシンを、静脈内ボーラス投与 vs 静脈内点滴として投与した場合の循環動態変化と子宮収縮作用を比較することであった。
・研究デザインは、無作為二重盲式実薬対照試験であった。脊椎麻酔下に待機的帝王切開分娩を受ける妊婦 80 人は、オキシトシン 3 IU を 15秒かけて静脈内ボーラス投与する(B 群、n=40)か、5分かけて静脈内点滴(I 群、n=40)投与されるよう無作為に割り当てられた。子宮の緊張度が十分であるか不十分であるかは、産科医によって評価された。術中の心拍数、非観血血圧、EKG 変化を記録した。これらのデータを群間で比較した。胸部痛、嘔気、嘔吐、顔面紅潮、といった他の有害事象はすべて記録した。
・ボーラス群では、点滴群に比して、心拍数の有意な上昇と平均血圧の有意な低下が見られた。ボーラス投与群の 3 人の患者には ST-T 降下の形の EKG 変化があり、5 人の患者は胸部痛を訴えた。点滴群ではそのような合併症は見られなかった。
・オキシトシンのボーラス投与(15 秒かけて 3 IU)とオキシトシン点滴投与(5 分かけて 3 IU)は、同等な子宮収縮作用を有する。しかし、ボーラス投与法は、有意に多くの心血管系有害事象を示す。
[!]:「いまさらながら・・」といった感の論文だが、オキシトシンを静注投与する場合は、抗不整脈薬投与と同様に 5 分以上かけてゆっくり投与するのが原則だ。
J Anaesthesiol Clin Pharmacol 2013;29:32-5
・オキシトシンは、帝王切開分娩中に子宮を収縮させるために、ルーチンに投与される。オキシトシンの静脈投与後には、副作用が発生することが知られており、特に頻脈、低血圧、心電図(EKG)変化は高リスク患者では有害となる可能性がある。本研究の目的は、等量のオキシトシンを、静脈内ボーラス投与 vs 静脈内点滴として投与した場合の循環動態変化と子宮収縮作用を比較することであった。
・研究デザインは、無作為二重盲式実薬対照試験であった。脊椎麻酔下に待機的帝王切開分娩を受ける妊婦 80 人は、オキシトシン 3 IU を 15秒かけて静脈内ボーラス投与する(B 群、n=40)か、5分かけて静脈内点滴(I 群、n=40)投与されるよう無作為に割り当てられた。子宮の緊張度が十分であるか不十分であるかは、産科医によって評価された。術中の心拍数、非観血血圧、EKG 変化を記録した。これらのデータを群間で比較した。胸部痛、嘔気、嘔吐、顔面紅潮、といった他の有害事象はすべて記録した。
・ボーラス群では、点滴群に比して、心拍数の有意な上昇と平均血圧の有意な低下が見られた。ボーラス投与群の 3 人の患者には ST-T 降下の形の EKG 変化があり、5 人の患者は胸部痛を訴えた。点滴群ではそのような合併症は見られなかった。
・オキシトシンのボーラス投与(15 秒かけて 3 IU)とオキシトシン点滴投与(5 分かけて 3 IU)は、同等な子宮収縮作用を有する。しかし、ボーラス投与法は、有意に多くの心血管系有害事象を示す。
[!]:「いまさらながら・・」といった感の論文だが、オキシトシンを静注投与する場合は、抗不整脈薬投与と同様に 5 分以上かけてゆっくり投与するのが原則だ。
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