幼小児の口蓋裂修復術に際してのアセトアミノフェンの鎮痛有効性; 無作為偽薬対照試験

Analgesic effectiveness of acetaminophen for primary cleft palate repair in young children: a randomized placebo controlled trial
Pediatric Anesthesia first published online: 2 APR 2014 DOI: 10.1111/pan.12393 Nour C, et al.

アセトアミノフェン.png・唇裂、口蓋裂、口唇列は、よく見られる先天異常である。小児の鎮痛に対する不十分な治療は、オピオイドに関連した副作用の懸念から生じている可能性がある。副作用を最小限とした適切な疼痛管理を提供することは、小児では依然として困難である。本研究の目的は、小児の原発性口蓋裂修理後の、経口または経静脈アセトアミノフェン投与のオピオイド節約効果を評価することである。

・標準化された全身麻酔と術野のリドカイン浸潤を使用した、年齢 5か月から 5 歳の 45 人の健康小児での前向き無作為化対照試験である。患者は、3 群に割り当てられた:アセトアミノフェン静注+経口プラセボ(静脈群)、経口アセトアミノフェン+プラセボ静注(経口群)、静注/経口プラセボ(対照群)。群間で、試験期間 24 時間中のオピオイド投与の差を比較した(モルヒネ相当量 μg/kg;95%信頼区間)。

・アセトアミノフェン静注は、手術後のオピオイド必要量を減少させた(P=0.003)。静脈群の患者(272.9;202.9-.342.8 μg/kg)は、対照群(454.2; 384.3-ら524.2 μg/kg)よりもオピオイド投与量が少なかった(P<0.002)。経口群のオピオイド必要量(376.5、304.1-448.9 μg/lg)は、中間で、静注群(P=0.11)と対照群(P=0.27)のいずれとも有意差はなかった。病棟ケアの段階では、静注群は、対照群よりも鎮痛が良好(P=0.002)で、静注群と経口群のいずれも、対照群よりもオピオイド投与量が少なかった(P=0.01)。

・口蓋裂修復を受ける幼小児に与えられた静脈内アセトアミノフェンは、プラセボと比較して、オピオイド節約効果と関連していた。静注群と経口群の双方で、病棟滞在中のモルヒネの投与量が少ないことは、場合によっては臨床的に重要であるかもしれない。

[!]:オピオイドによる呼吸抑制を少なくしたい場合には、術中にアセトアミノフェンを使用すれば、モルヒネ投与量を 4 割も節減できる。

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