周術期極低用量ケタミン注入は、術後レミフェンタニル誘発性シバリングを現に増加させる: 二重盲式無作為

Perioperative very low-dose ketamine infusion actually increases the incidence of postoperative remifentanil-induced shivering?double-blind randomized trial
Acta Anaesthesiologica Taiwanica Volume 51, Issue 4, Pages 149?154, December 2013 Suzuki M, et al.

・術中の低用量ケタミン注入(血中濃度約 100 ng/mL)は、レミフェンタニルを基剤とした麻酔後の術後シバリングの発生率を低下させる。著者らは、レミフェンタニル・ベースの麻酔中の極低用量ケタミン(血中濃度約 40 ng/mL)の周術期注入もまた、麻酔の終了後 2 時間のレミフェンタニル誘発性シバリングの発症を予防する可能性があると仮定した。

・腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術、または卵巣摘出術を受ける予定の 50 人の女性患者を、2 つの群のいずれかに割り付けた:(1)ケタミン群では、麻酔導入から覚醒までケタミン注入(0.1 mg/kg/時)を受け、(2)対照群では、麻酔導入から覚醒まで生食注入を受けた。麻酔は、プロポフォールの目標制御注入(推定血中濃度 2-4 μg/mL)とレミフェンタニル 0.2?0.3 μg/kg/分の注入によって、導入、維持された。患者は麻酔終了から麻酔後 120分まで、シバリングの有無を観察された。患者が震え始めた時点を記録し、4 つの時間帯のいずれかに割り当てられた。覚醒時、覚醒から麻酔後 30 分、麻酔後 30 分~ 60 分、麻酔後>60分。

・120 分の観察期間中、シバリングを発生した患者数は、対照群よりもケタミン群の方が多かった(ケタミン群 vs 対照群; 18 vs 8、p=0.01)。患者が震え始めた時間帯は群間で異なっていた(ケタミン群 vs 対照群;覚醒時、覚醒から麻酔後 30 分、麻酔後 30 分~ 60 分で、それぞれ、1、4、13 人の患者 vs 3、2、3 人の患者、p=0.007)。

・レミフェンタニル・ベースの麻酔中の極低用量ケタミンの術中投与は、術後のシバリングの発生率を増加させる可能性がある。

[!]:低用量ケタミンではシバリング発生頻度が低下するが、極低用量では増加するとは、いったいどういうメカニズムなのか。

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