大手術後の CRP の動態

C-Reactive Protein Kinetics After Major Surgery
Anesth Analg. 2014 Sep;119(3):624-9. doi: 10.1213/ANE.0000000000000263.

・術後期の敗血症の診断は困難な課題である。C-反応性タンパク質(CRP)などのようなの炎症マーカーの測定は、内科患者では提案されてきたが、手術患者でのこれらの値の解釈の方が困難である。著者らは、術後に感染のある患者とない患者とで、血中 CRP 値と白血球数の変化を評価した。

・4 ヶ月の期間中に大きな(待機的か緊急か)心臓、神経、血管、胸部、腹部手術後に著者らの 34 床から成る集中治療科に入室となった、全ての患者を、前向きに含めた。患者は毎日検査されて、感染または非感染と分類された。CRP 値と白血球数は、手術後に最大 7 日間、全ての患者で毎日記録した。

・151 人の患者が登録され、115 人が待機手術、36 人が緊急手術を受けた。心臓手術はが 49 人に、脳外科手術が 65 人に、腹部手術が 25 人に、血管手術が 7 人に、胸部手術が 5 人に実施された。非感染症患者(n=117)では、平均 CRP 値はベースラインから術後 3 日目(POD)まで増加した(P<0.0001、推定平均差[EMD]=99.7 mg/L [95%信頼区間、85.6-113.8])後、POD 7 まで減少したが、ベースライン値より高い状態が続いた(P<0.0001、EMD=49.2mg/L [95%信頼区間、27.1-71.2])。20 人の患者(13.2%)で術後感染が発生した。これらの患者では、CRP 値は、POD 1 で既に、非感染症患者よりも高かった(P=0.0054)。

・大手術後の第 1 週は、CRP 値は増加するが、感染患者では、非感染患者よりもはるかに大きく増加する。POD 4 以降も持続的に CRP 高値、特に >100mg/L が続くようなら、術お感染の存在が示唆される。

[!]:手術後患者では、これまで、こんなことも真剣には調査されていなかったのか!? ちょっと唖然とするな。手術をすれば高くて当然、でも 4 日目以降も高値が続くのは術後感染かもよって。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック