■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2014-12-19




【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (a______) : 炭疽/脾脱疽

(2) (a________) : アルカリ血[症]

(3) (a_______) (o_____) (t______) : 動脈血酸素分圧

(4) (d______) (d______) : 潜函病

(5) (a_____________) (w_____) : 大動脈肺動脈窓


[解答]
(1)anthrax(2)alkalemia
(3)arterial oxygen tension(4)diver's disease
(5)aortopulmonary window


[出典] 麻酔科学用語集 第3版




【問題2】(溺水・中毒・体温) 薬物中毒に対して強制利尿を行う場合の一般的輸液投与速度はどれくらいか?
1) 100~150ml/hr
3) 250~500ml/hr
5) 500~700ml/hr
2) 50~100ml/hr
4) 150~200ml/hr


[解説] ほとんどの薬物は非イオン化状態では尿細管で再吸収される。酸性薬物は尿をアルカリ性に、アルカリ性薬物は尿を酸性にすると毒物のイオン化が強くなり再吸収されにくくなる。バルビタール剤による中毒の他、ナフタリン、サリチル酸、ベンゾジアゼピン系、アニリン系、リチウムは一般にアルカリ強制利尿が有効とされている。酸性強制利尿が有効なものはキニジン誘導体、ベンセドリン、アンフェタミン、ストリキニーネ、カーバメイト剤(バラミン)、中性強制利尿でも有効なのはアルコール、有機リン剤が挙げられる。強制利尿を行う場合の一般的輸液投与速度は250~500ml/hrくらいで、状況に応じてラシックス、マンニトール、ドパミンを併用し、尿量を正常の5~10倍保つようにする。心不全や腎不全の既往がある場合は、要注意である。中心静脈圧の測定はよい指標となる。


[正解] 3 [出典] 緊急処置マニュアルP387



【問題3】(麻酔薬) 吸入麻酔薬について正しいのはどれか?

ア:慢性アルコール中毒ではMACは低下する。

イ:甲状腺機能はMACに影響しない。

ウ:低ナトリウム血症ではMACは低下する。

エ:吸入麻酔薬による呼吸抑制では用量依存性に1回換気量が減少する。

オ:ハロタンは、ハロゲン元素として臭素原子を含んでいる。


[解説] ×:急性アルコール中毒ではMACは低下する。逆に慢性アルコール中毒では、MACは上昇する。
○:甲状腺機能はMACに影響しない。
○:低ナトリウム血症ではMACは低下する。高度の低ナトリウム血症はそれ自体意識障害の原因となる。
○:吸入麻酔薬による呼吸抑制では用量依存性に1回換気量が減少する。延髄の呼吸中枢に対する直接作用と、肋間筋など呼吸筋に対する筋弛緩作用による換気抑制が原因である。
○:ハロタンは、ハロゲン元素としてフッ素、塩素、臭素を含んでいる。エンフルラン、イソフルランは臭素は含まず塩素とフッ素のみを、セボフルラン、デスフルランはフッ素のみを含む。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p65-71


■ これって常識? ■
感染性心内膜炎を疑ったら,○1血液培養を繰り返し,○2心エコー(とくに経食道エコー)を行う

1)感染性心内膜炎は起因菌によって,亜急性と急性のタイプに分けられる.
2)血液培養を繰り返して起因菌を検出することが大切であり,心エコー(とくに経食道エコーが有用)で疣贅を含めた異常の有無の検索を行う.


[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識~感染症編

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