胸部手術患者で気管支ブロッカーとダブルルーメン気管支内チューブで有効性と有害作用を比較

A Comparison of the Efficacy and Adverse Effects of Double-Lumen Endobronchial Tubes and Bronchial Blockers in Thoracic Surgery: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2014 Dec 2. pii: S1053-0770(14)00600-4. doi: 10.1053/j.jvca.2014.11.017. [Epub ahead of print]

・本研究の目的は、気管支ブロッカー(BBS)とダブルルーメン気管支内チューブ(DLT)を使用しての有効性と副作用を比較することであった。

・片肺換気を必要とする胸部手術を受ける患者を対象として、BB と DLT を比較した無作為化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ分析である。系統的な文献検索は、2013 年 10 月まで Google Scholar、Ovid Medline、Cochrane library データベースを使って、BB と DLT を比較した RCT を検索した。包含基準は、BB と DLT を比較した無作為化比較試験で、挿管は資格のある麻酔科医か、専門研修医によって行われ、有効性か、有害作用に関連した評価項目のあるものとした。英語でアクセスできなかった研究は除外した。RevMan 5 ソフトウエアを用いて、繰り返しの評価指標のマンテル・ヘンツェル固定効果のメタ分析をった。

・検索によって、1996 年から 2013 年に発表された 39 件の RCT が得られた。DLT の方が、BB よりも、留置が迅速で(平均差:51秒、95%信頼区間[CI] 8-94秒、P=0.02)、間違って留置される可能性が少なかった(オッズ比[OR]2.70、95%信頼区間 1.18-6.18、p=0.02)。BB の方が、DLT よりも、術後の咽喉頭痛のある患者数が少なく(OR 0.39、95%CI:0.23-0.68、P=0.0009)、嗄声が少なく(OR 0.43、95% CI 0.24-0.75、P=0.003)、気道傷害が少ない(OR 0.40、95%CI 0.21-0.75、p=0.005)ことと関連していた。

・BB は、気道損傷の発生率が低いことと傷害の重症度が低いことと関連しているが、DLT の方が迅速かつ確実に留置することができる。

[!]:それぞれ一長一短があるということだ。

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