■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2015-03-02




【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (s_______) (t___________) : シナプス伝達

(2) (________p) : 残効低下

(3) (a_________) (d___) : 抗不安薬

(4) (t______) (p___________) : 緊張[性]気胸

(5) (c______) (d_________) (d___) : 心[筋]抑制薬


[解答]
(1)synaptic transmission(2)afterdrop
(3)anxiolytic drug(4)tension pneumothorax
(5)cardiac depressant drug


[出典] 麻酔科学用語集 第3版



【問題2】(自律神経) 自律神経系について正しいのはどれか?

ア:クロニジンは反跳性高血圧を生じる危険性があるので周術期も継続投与する。

イ:ドパミンは、10μg/kg/min以上ではα作用が中心となる。

ウ:MAOは神経細胞質内でノルアドレナリンを分解する。

エ:β1受容体刺激により血管は拡張する。

オ:ノルアドレナリンの多くはシナプス接合部でMAOによる分解によって除去される。


[解説] ア:○:クロニジンは反跳性高血圧を生じる危険性があるので周術期も継続投与する。
イ:○:ドパミンは、3μg/kg/min以下ではドーパミン受容体への作用が中心、3~10μg/kg/minではβ受容体への作用が中心、10μg/kg/min以上ではα作用が中心となる。
ウ:○:MAOは神経細胞質内でノルアドレナリンを分解する。
エ:×:β2受容体刺激により血管は拡張する。
オ:×:ノルアドレナリンの多くはシナプス接合部から再取り込みにより除去される。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p1-7



【問題3】(麻酔薬) スガマデクスと筋弛緩について正しいのはどれか?

ア:スガマデクス投与によりロクロニウムの尿中排泄量は2~3倍に増加する。

イ:スガマデクスの分子量は1200である。

ウ:高度腎機能障害例でのスガマデクス投与は現時点では推奨されない。

エ:スガマデクスによる筋弛緩の拮抗には天井効果が存在する。

オ:ロクロニウムの分子量は610である。


[解説] ○:スガマデクス投与によりロクロニウムの尿中排泄量は2~3倍に増加する。ロクロニウム単体投与では、24時間以内に投与されたロクロニウムの14%が尿中に排泄されるが、スガマデクスを投与すると39~68%が尿中に排泄されるようになる。これは包接体がスガマデクスと同様の排泄過程をたどるようになるためである。
×:スガマデクスの分子量(2178)はロクロニウムの分子量(610)の3.6倍である。
○:高度腎機能障害例でのスガマデクス投与は現時点では推奨されない。
×:抗コリンエステラーゼ剤による筋弛緩の拮抗には天井効果、すなわち深い筋弛緩状態において抗コリンエステラーゼ剤の投与量を増やしても必要な拮抗作用が得られない現象が存在する。
○:ロクロニウムの分子量は610である(上述)。



[正解] 解説を参照 [出典] スガマデクスの基礎と使い方




【問題4】(中枢神経) めまいに関係する前庭系について正しくないのはどれか?
1) 末梢前庭=内耳+前庭神経
3) 垂直性眼振=橋障害
5) 注視方向眼振=中枢前庭障害
2) 回転性めまい=前庭系障害
4) 一方向注視眼振=末梢前庭障害


[解説] 末梢前庭=内耳+前庭神経+前庭神経核、中枢前庭=小脳・橋被蓋部、回転性めまい=前庭系障害、非回転性めまい=動揺型+失神型.垂直性眼振=橋障害、注視方向眼振=中枢前庭障害、一方向注視眼振=末梢前庭障害、動揺型めまいの原因には様々な疾患がある(前蹄係以外の脳神経系、筋収縮性頭痛、内科・眼科・産婦人科・整形)。失神型めまいの原因疾患:起立性低血圧、アダムス・ストークス症候群、過換気症候群、急性消化管大出血


[正解] 1 [出典] 心臨床内科学P37

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