■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2015-04-22





【問題1】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。
(1) MV (2) PTCA (3) A-aDo2 (4) PT (5) CMR

[解答]
(1)minute ventilation:分時換気量
(2)percutaneous transluminal coronary angioplasty:経皮経管的冠動脈形成
(3)alveolar-arterial oxygen tension difference:肺胞-動脈血酸素分圧較差
(4)physical therapist:理学療法士
(5)cerebral metabolic rate:脳代謝率



[出典] 麻酔科学用語集 第3版



【問題2】(中枢神経) 脳血流の正常値は脳100gあたり1分間何mlか?
1) 30 2) 50 3) 100 4) 200 5) 300

[解説] 脳血流量は心拍出量(成人で約5l/min)の15%=5000×0.15=750ml、脳重量は1500g、したがって、750÷15=50ml/100g/min。


[正解] 2 [出典] Q新麻酔科学改訂第5版p228




【問題3】(麻酔薬) クロニジンは( )アドレナリン受容体( )薬である。
1) α2、拮抗
3) α1、刺激
5) β2、拮抗
2) α2、刺激
4) α1、拮抗


[解説] クロニジンは、α2アドレナリン受容体刺激薬(アゴニスト)で、その作用は中枢性交感神経活動を抑制する他、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することによる。適度な鎮静、唾液分泌圧抑制、吸入・静脈麻酔薬の必要量の減少、術中循環面の安定化、心血管作動薬の修飾(エフェドリン、フェニレフリンの効果増強)、尿量増加、術後鎮痛、術後の悪心・嘔吐の抑制など多方面の効果がある。徐拍性不整脈患者には禁忌。H2ブロッカのうち、シメチジンとの併用は避ける(肝血流減少、P450阻害による薬物代謝の遷延)。クロニジン=カタプレス(R)錠:0.075/0.15mg


[正解] 2 [出典] 臨床麻酔のコツと落とし穴part1p16~18



【問題4】(心臓・血管) うっ血性心不全について正しいのはどれか?

ア:ARBはアンギオテンシン II 受容体遮断薬である。

イ:拡張機能不全では、1回拍出量は低下する。

ウ:収縮機能不全では、充満圧が上昇すると、肺うっ血を発症する。

エ:容量の過負荷状態では、拡張期に壁張力が増大する。

オ:Laplaceの法則によれば、心室壁の厚さが増すと壁張力が増大する。


[解説] ア:○:ARBはアンギオテンシン II 受容体遮断薬である。
イ:○:拡張機能不全によって生じる左室充満量が低下は、1回拍出量の低下や、低心拍出量に伴う症状を引き起こす。
ウ:×:拡張機能不全では、充満圧が上昇すると、肺うっ血を発症する。
エ:○:圧の過負荷状態では、収縮期に壁張力が増大する。容量の過負荷状態では、拡張期に壁張力が増大する。
オ:×:Laplaceの法則によれば、心室壁の厚さが増すと壁張力が低下する。Laplaceの法則;T=P・r/2h(T:壁張力、P:心室内圧、r:半径、h:壁の厚さ)心室壁への張力ないしストレスは、心室内圧および内径に比例し、壁の厚さに反比例する。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p243-249

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