■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2015-05-11




【問題1】(医療英単語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (v____) (i______) : ウイルス病

(2) (d____________) : 皮膚科医

(3) (b____) (e____) : 脳浮腫

(4) (a______) (d_______) : 不安障害

(5) (_____________s) : 抗精神病薬


[解答]
(1)viral illness(2)dermatologist
(3)brain edema(4)anxiety disorder
(5)antipsychotics


[出典] RNN時事英語辞典 http://rnnnews.jp/



【問題2】(代謝) 糖尿病について正しいのはどれか?

ア: I 型糖尿病では膵臓の島細胞が破壊されてインスリンを産生できなくなる。

イ:インスリンには蛋白合成を促進する働きがある。

ウ: II 型糖尿病は自己免疫疾患である。

エ:インスリンにはグリコーゲンの貯蔵作用がある。

オ: II 型糖尿病の発症は、小児および若年成人に多い。


[解説] ア:○: I 型糖尿病は膵臓の島細胞が破壊されてインスリンを産生できなくなる自己免疫疾患である。
イ:○:インスリンにはブドウ糖の取り込み、グリコーゲンの貯蔵、蛋白合成、アミノ酸の輸送、脂肪の合成を促進する働きがある。
ウ:×: II 型糖尿病は、体がインスリンを使用する能力に異常が生じる疾患である。
エ:○:インスリンにはグリコーゲンの貯蔵作用がある。
オ:×: II 型糖尿病は、50歳以上の高齢の成人に見られることが多い。また運動量の少ない肥満した青年や若年成人にもよく見られる。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p345-350



【問題3】(産科麻酔) 分娩に関する神経支配で誤っているのはどれか.

ア:子宮体部の運動:第 4~10 胸髄,交感神経

イ:子宮体部の知覚:第 10 胸髄~第 1 腰髄,体性神経

ウ:子宮下部,頸部,産道の知覚:第 2~4 仙髄,副交感神経

エ:子宮下部,頸部,産道の運動:第 2~4 仙髄,副交感神経

オ:膣,会陰部の知覚:第 2~5 仙髄,体性神経


[解説] (ア):(正)分娩第 1 期(子宮下部と頸部の開大)の鎮痛には,子宮収縮を抑制しない硬膜外オピオイドが有用である.硬膜外オピオイドは内臓痛の抑制に特に効果がある.第 2 期の痛み(会陰の開大)は,体性痛であり硬膜外オピオイドの効果は弱い.したがって,運動麻痺を起こさない低濃度の局所麻酔薬とオピオイドの併用が最も鎮痛効果がある.
(イ):(誤)子宮体部の痛みは内臓侵害求心線維が下腹神経叢,腹腔神経叢を経由して交感神経を介し,脊髄後角に入る.頸部の痛みは,交感神経と副交感神経で伝達される.子宮体部,下部,頸部の痛みは分娩第 1 期の痛みであり,内臓痛である.
(ウ):(正)、(エ):(正)骨盤内臓神経は第 2~4 仙髄から出ていて,痛みを伝える内臓侵害求心線維と,運動を司る副交感神経遠心線維で成り立っている.
(オ):(正)体性神経である陰部神経で支配されている.分娩第 2 期の痛みは会陰の開大に由来し,体性痛である.



[正解] (イ) [出典] Super Hospital 麻酔科




【問題4】(溺水・中毒・体温) フグ中毒の呼吸器麻痺に対する人工呼吸はどれくらの期間必要か?
1) 最低10時間
3) 最低1日
5) 5~7日
2) 3~4時間
4) 2~3日


[解説] 本邦の魚介類による中毒死のほとんどを占めているのはフグ中毒であり、初期症状としての「舌のしびれ」は2~3時間後に表れてくる。これはテトロドトキシンの局所麻酔様作用のためである。後期症状としての呼吸停止は食後3~4時間後に起こってくる。これはテトロドトキシンが神経・筋接合部を遮断して全身的な筋弛緩をもたらし、その部分現象として呼吸筋麻痺をきたすのである。呼吸器麻痺に対する治療の主流は人工呼吸であり最低10時間は続ける必要がある。


[正解] 1 [出典] 危機管理P100

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