■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2015-05-25




【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (p______) (r______) : プラセボ反応者

(2) (a________) (a_____) : 鎮痛作用

(3) (c_______) (s____) : 冠動脈スチール/冠動脈盗血

(4) (a_________) : アルカリ度

(5) (__________s) : 間質性肺炎/肺臓炎


[解答]
(1)placebo reactor(2)analgesic action
(3)coronary steal(4)alkalinity
(5)pneumonitis


[出典] 麻酔科学用語集 第3版



【問題2】(心疾患患者への注意) 虚血性心疾患について正しい記述はどれか。

ア:安静時心電図が正常なら、虚血性心疾患は否定できる。

イ:安定狭心症では、無症候性の心筋虚血をみることはまれである。

ウ:運動負荷心電図が正常なら、虚血性心疾患は否定できる。

エ:糖尿病患者では、無症候性の心筋梗塞を起こすことが多い。

[解説] 安静時心電図が正常でも、虚血性心疾患は否定できない。たとえ心筋梗塞の既往があっても、年月がたつと異常Q波が消失することもある。運動負荷心電図の感度も決して100%ではない。左脚ブロックやストレーンを伴う心肥大があると、心電図からは心筋虚血の診断は難しくなる。安定狭心症でも、無症候性の心筋虚血の頻度は高い。糖尿病患者では、虚血性心疾患があっても、胸痛を伴わないことが多い。


[正解] (エ)のみ [出典] 麻酔科クリニカル問題集




【問題3】(体液・電解質) 2号液は別名何と呼ばれるか?
1) 術後回復液
3) 細胞外液補充液
5) 細胞内修復液
2) 輸液開始液
4) 維持液


[解説] 1号液=輸液開始液(腎機能の低下や評価しがたい時の初期輸液として使用される)、2号液=細胞内修復液(1号輸液だけでは電解質の喪失が強いとき(低張性脱水)に使用する、3号液=維持液(生体に必要な水分と電解質の他糖質が含まれており、経口摂取が不可能な場合の短期の維持目的で使用される。1号輸液だけではなお水不足が強い時(高張性脱水))、4号液=術後回復液(カリウム投与を控えたいときの3号液の代用輸液として使用される)、乳酸リンゲル液や酢酸リンゲル液=細胞外液補充液(急性出血で輸血を使用するまでの緊急時、外傷、手術時や熱傷の初期輸液として使用する、)


[正解] 5 [出典]



【問題4】(脊椎麻酔) 脊椎麻酔について正しいのはどれか。

ア:エピネフリン添加による作用時間延長はα1作用による。

イ:生理食塩水で溶解したテトラカイン液は低比重である。

ウ:A線維の遮断レベルはB線維より高い。

エ:全脊麻では散瞳する。

[解説] エピネフリン添加による作用時間延長は、以前はクモ膜下腔の血管収縮作用(α1)によると考えられていたが、脊髄自体に対するα2作用による鎮痛効果が影響していると考えられるようになってきている。テトカインを生食で溶解したものは比重=1.006で等比重である。局麻薬に最も感受性が高いのは有髄B線維であるので、遮断レベルはB線維>A線維。全脊麻では意識消失、呼吸停止、散瞳が認められる。


[正解] (エ) [出典] 第33回麻酔指導医認定筆記試験:B25

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