術後せん妄:独立危険因子としての年齢と低予備能
Postoperative delirium: age and low functional reserve as independent risk factors
Journal of Clinical Anesthesia Published Online: October 23, 2015
<要旨>
・本研究の目的は、術後せん妄の発生率(POD)とその発症に関連す既往症の存在を調査することであった。
・待機的手術の予定で、麻酔回復室(PACU)に入室した成人患者(N=221)を対象とした前向き観察研究。POD の存在は、PACU から退室時と手術後 24 時間で、看護せん妄スクリーニング尺度により評価した。記述的分析を実施し、統計的比較はマンホイットニーU、χ2、フィッシャーの直接確率検定を用いて行った。ロジスティック回帰分析は、POD の独立した決定因子の評価に用いた。
・POD は、25 例(11%)に認められた。POD を発症した患者は、より高齢であり(年齢の中央値、69 vs 57、P<0.001)、ASA-PS スコアが高く(≧3)(それぞれ 60% vs 19%、ASA-PS III/IV を有していた、P<0.001)、虚血性心疾患(24% vs 6%、P=0.001)、慢性腎疾患(20% vs 5%、P=0.005)、高血圧症(80% vs 45%、P=0.001)、慢性閉塞性肺疾患(20% vs 6%、P=0.009)、低予備能(LFR)(24% vs 2%、P<0.001)の頻度が高かった。年齢(オッズ比 1.06; 95%信頼区間 1.02-1.10、P=0.003)と LFR(オッズ比 8.04; 95%信頼区間、3.95-32.27、P=0.003)は、POD の独立危険因子と考えられた。
・研究集団における POD の発生率(11%)は、文献(5%-15%)に記載されたものと一致している。その発症に関連する合併症としては、虚血性心疾患、高血圧、慢性腎疾患、LFR、慢性閉塞性肺疾患であった。年齢≧65 歳、LFR は、POD 発症のための独立危険因子であった。
Journal of Clinical Anesthesia Published Online: October 23, 2015
<ハイライト>
・研究患者集団での術後せん妄の発生率は 11% であった。
・年齢、ASA-PS、いくつかの併存疾患は術後せん妄のリスク因子であった。
?年齢は、術後せん妄の独立危険因子であると考えられた。
?予備能も術後せん妄の独立危険因子であった。
・研究患者集団での術後せん妄の発生率は 11% であった。
・年齢、ASA-PS、いくつかの併存疾患は術後せん妄のリスク因子であった。
?年齢は、術後せん妄の独立危険因子であると考えられた。
?予備能も術後せん妄の独立危険因子であった。
<要旨>
・本研究の目的は、術後せん妄の発生率(POD)とその発症に関連す既往症の存在を調査することであった。
・待機的手術の予定で、麻酔回復室(PACU)に入室した成人患者(N=221)を対象とした前向き観察研究。POD の存在は、PACU から退室時と手術後 24 時間で、看護せん妄スクリーニング尺度により評価した。記述的分析を実施し、統計的比較はマンホイットニーU、χ2、フィッシャーの直接確率検定を用いて行った。ロジスティック回帰分析は、POD の独立した決定因子の評価に用いた。
・POD は、25 例(11%)に認められた。POD を発症した患者は、より高齢であり(年齢の中央値、69 vs 57、P<0.001)、ASA-PS スコアが高く(≧3)(それぞれ 60% vs 19%、ASA-PS III/IV を有していた、P<0.001)、虚血性心疾患(24% vs 6%、P=0.001)、慢性腎疾患(20% vs 5%、P=0.005)、高血圧症(80% vs 45%、P=0.001)、慢性閉塞性肺疾患(20% vs 6%、P=0.009)、低予備能(LFR)(24% vs 2%、P<0.001)の頻度が高かった。年齢(オッズ比 1.06; 95%信頼区間 1.02-1.10、P=0.003)と LFR(オッズ比 8.04; 95%信頼区間、3.95-32.27、P=0.003)は、POD の独立危険因子と考えられた。
・研究集団における POD の発生率(11%)は、文献(5%-15%)に記載されたものと一致している。その発症に関連する合併症としては、虚血性心疾患、高血圧、慢性腎疾患、LFR、慢性閉塞性肺疾患であった。年齢≧65 歳、LFR は、POD 発症のための独立危険因子であった。
この記事へのコメント
私は肩の関節唇を損傷しています。今は保存療法で経過を診ていますが靭帯の損傷なので完全に治すには全身麻酔での手術が必要という状態です。また慢性鼻炎でこちらも全身麻酔での手術が必要です。
全身麻酔の脳への影響が心配です。私は男ですが、男女量、回数、時間によっても違うでしょうが医療用とはいっても麻薬、麻酔ですので多少なりとも中枢神経等に影響がでるのではと考えています。
大学受験が控えており医学部に進むことになれば国家試験もあります。集中力、思考力や記憶力の低下が心配です。
またそれがどれくらいの期間に及ぶのか予後について他になんでもいいので教えていただけますでしょうか。
大学受験を控えているということですので、10 代の方ですよね?
> 全身麻酔の脳への影響が心配です。私は男ですが、男女量、回数、時間によっても違うでしょうが医療用とはいっても麻薬、麻酔ですので多少なりとも中枢神経等に影響がでるのではと考えています。
あなたのような年齢の方では、脳の予備力はふんだんにあり、まったく心配いらないと思います。
問題になるのは、脳の予備力が低下している高齢であったり、脳疾患を患っている方々です。
麻酔薬による脳神経系の抑制の程度は強いけれども、泥酔して意識がなくなった状態と同じようなものと考えてください。
深酒をしてアルコールによる脳機能抑制が翌日まで残って「二日酔い」という状態になった場合よりも、麻酔薬による脳機能の抑制はずっと早く回復します。
若い人では、数日間にもわたる脳機能抑制はほとんどないと考えています。
むしろ、心配なのはあなた自身の「心配症」という性格です。そんなことを心配していたら、大学受験なんて「どんな失敗をしでかすか怖くて何日も眠れない」という状態が続いた後に、実際の受験日が訪れるわけで、受験に失敗する可能性が非常に高いのではないかと危惧します。
現代の麻酔は非常に安全です。航空機に乗るくらいのリスクです。安心して全身麻酔を受けてください。
私は10代の現役生ではなく、30歳の中退再受験者です。心が安定せず自棄になってしまいました。体は動かせたのでとりあえず力仕事を続けていたのですが怪我をしてしまったのです。怪我をして自分と向き合い、夢に向かってまた挑戦する気持ちになれたのはよかったです。
意識がなくなるまでアルコールを摂取したことはないですが5回くらいは酩酊状態になったことはあるので、あと2回麻酔でその状態になるだけなのかとわかり安心しました。
高齢者の場合はわかりませんが私の場合脳機能障害が数日間続くこともほぼないのに数年後まで続く心配までしてしていたなんて情けなくなりました。
SRHAD-KNIGHTさんの指摘する通り今は以前よりましになりましたが自分でも心配性だと思います。時間が解決してくれることも多いので心配しすぎないように心がけています。睡眠は今のところ問題なくとれていて6時間だと4日くらいでもうちょっと寝たいなとなる感じで人よりは少しロングスリーパーなのかなと思っています。術後も問題ないと思ってます。