パレコキシブナトリウムは小児の扁桃摘出後のオピオイドの必要性を低減する:二重盲式偽薬対照無作為化臨床

Parecoxib sodium reduces the need for opioids after tonsillectomy in children: a double-blind placebo-controlled randomized clinical trial.
Can J Anaesth. 2015 Dec 18. [Epub ahead of print]

・術後痛は、小児扁桃摘出後のよく見られる現象である。本前向き無作為化二重盲式偽薬対照臨床試験は、扁桃摘出を受けた小児のパレコキシブナトリウム静脈内投与の鎮痛効果を評価するために行った。

・60 人の小児(ASA-PS I~III、年齢 3 歳から 7 歳、身麻酔下に待機的扁桃摘出を受ける予定)は、全身麻酔導入直後に、無作為にパレコキシブナトリウム 1 mg/kg (P 群、n=30)か、同量の生食(S 群、n=30)かを静脈内投与されるよう 2 群のいずれかに割り当てられた。群間比較は、レスキューモルヒネを必要とした患者数、術後レスキューモルヒネの総投与回数、初回レスキュー鎮痛薬投与までの時間、術後痛と鎮静スコア、副作用について行った。

・レスキューモルヒネは、P 群(17/30、57%)よりも、S 群(25/30、83%)の方が多くの小児投与されていた[相対リスク(RR)、1.5;95%信頼区間(CI)、1.0~2.1。P=0.024]。初回レスキュー鎮痛剤投与までの平均(SD)時間は、P 群より S 群の方が短かった [それぞれ、132(54)分 vs 193(78)分平均差 61 分、95%CI、26.6-96.1、P=0.001]。麻酔回復室での小児病院東部オンタリオ疼痛スケール・スコアの中央値(四分位範囲[IQR])は、S 群よりも P 群の方が低かった(それぞれ、7[5-8] vs 9[8-11]、P=0.001)。術後の悪心嘔吐(PONV)の発生率は、P 群に比べ S 群の方が高かった[それぞれ、4/30(13%) vs [11/30(37%)、RR 2.8; 95%CI 7.7-1.0、P=0.037]。

・麻酔導入後のパレコキシブナトリウム 1mg/kg 単回静脈内注射は、術後疼痛管理のための有効な方法である。扁桃摘出を受ける小児で、モルヒネ節約効果があり、初回レスキュー鎮痛剤投与までの時間を延長し、PONV を減らす。

[!]:COX-2 選択的阻害薬であるパレコキシブは日本では市販されていないようだ。近縁薬のセレコキシブ(セレコックス)内服薬があるだけだ。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック