血管および血管内手術における周術期転帰に及ぼすβ遮断薬の効果:系統的レビューとメタ分析

・研究の目的は、血管および血管内手術における周術期β遮断薬の役割を調査することであった。

・著者らは、PRISMA 基準にしたがって、系統的レビューを実施した。レビュープロトコルは、International Prospective Register of Systematic Reviews(登録番号:CRD42016038111)に登録された。著者らは電子データベースを検索して、周術期β遮断薬が有無で、血管および血管内手術を受けた患者の転帰を調査する無作為化比較試験と観察研究をすべて特定した。著者らは、コクラン・ツールとニューキャッスル・オタワ・スケールを使用して、それぞれ試験と観察研究のバイアス・リスクを評価した。プールされた結果データを計算するためにランダム効果モデルを適用した。

・3 件の無作為化試験、5 件の後ろ向きコホート研究、3 件の前向きコホート研究を買う任氏、計 32602 人の患者が登録されていた。今回の分析では、血管手術においては、全死因死亡(OR)1.10、95%信頼区間(CI)0.59-2.04、P=0.77]、心臓死亡(OR 2.62、95%CI 0.86-8.05、P=0.09)、心筋梗塞(OR 0.89、95%CI 0.59-1.35、P=0.58)、不安定狭心症(OR 1.34、95%CI 0.41- 4.38、P=0.63)、脳梗塞(OR 2.45、95% CI 0.89-6.75、P?=?0.08)、不整脈(OR 0.76、95% CI 0.41-1.43、P?=?0.40))、うっ血性心不全(OR 1.12、95%CI 0.77-1.63、P=0.56)、腎不全(OR 1.48、95%CI 0.90-2.45、P=0.13)、複合心血管事象(OR 0.88、95%CI 0.55-1.40、P=0.58)、再入院(OR 0.86、95%CI 0.48-1.52、P=0.60)、再手術(OR 1.17、95%CI 0.42-3.27、P=0.77)のリスクを低減しないことが示された。

・β遮断薬は、血管および血管内手術における周術期を改善しない。

[!]:へ~、そうなんだ。いかにもβ遮断薬は周術期転帰、特に心血管合併症を減少させそうななのにな~。

【出典】
Effect of beta-blockers on perioperative outcomes in vascular and endovascular surgery: a systematic review and meta-analysis.
Br J Anaesth. 2017 Jan;118(1):11-21. doi: 10.1093/bja/aew380.

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