■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2017-01-10




【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (a_____) (e___________) : 心房性期外収縮

(2) (i_________) (c_______) : 留置カテーテル

(3) (c_______) (a_____) (s________) : 冠動脈硬化

(4) (o_____) (a________) : 麻薬依存/オピオイド依存/オピオイド嗜癖

(5) (p_____________) (r_______) : 麻酔[後]回復


[解答]
(1)atrial extrasystole(2)indwelling catheter
(3)coronary artery sclerosis(4)opioid addiction
(5)postanesthetic recovery


[出典] 麻酔科学用語集 第3版




【問題2】(心臓・血管) 右房圧波形上、v波が増高する病態はどれか?
1) 三尖弁閉鎖不全症
3) 完全房室ブロック
5) 僧帽弁閉鎖不全症
2) 心房細動
4) 三尖弁狭窄症


[解説] 心房の圧波形はa、c、vの陽性波とx、yの陰性波(谷)で構成されている。v波は心房の弛緩によって血液が充満し、内圧が上昇するために形成される。房室弁閉鎖不全があると心室収縮期(心房弛緩期)に血液が心房側へ逆流するため、v波は増高する。右心系では、吸気に右房への還流血流量が増大する結果、v波は吸気時により増高する。心房中隔欠損症や部分肺静脈還流異常症のような右房に動脈血が短絡する疾患では、本来の還流血液に短絡血が加わる結果、v波の増高がみられる。


[正解] 1 [出典] 心臓カテーテル検査のモニタリングP72


■ これって常識? ■
医学文献の結論を鵜呑みにするな!研究方法を必ずチェックせよ!

1)時間のない臨床医は,題名と結論だけ見て医学文献を読んだ気になって,その文献の結論を日々の診療の中で使いがちである.
2)一般にステータスが高いといわれている医学雑誌の文献でもバイアスが入っていたり,一般診療との感覚のズレがあったりして,研究の妥当性を欠いているものもある.
3)臨床医が臨床研究の妥当性を自分で評価できないと,患者のマネジメントについて自分で判断することが難しい.
4)1992年にカナダのマックマスター大学臨床疫学・生物統計学教室は,忙しい臨床医が自分の患者の診断,予後,病因,治療に関する医学文献を読むときに使うために一連の「Users'Guides to the Medical Literature」をシリーズとして発表した.臨床医は批判的文献の読み方“Critical Appraisal”に精通している必要がある.


[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識~総合内科編




【問題3】(???) 次のうち、正常なのはどれか?
1) Hugh-Jones分類1度
3) NYHA分類1度
5) Lown分類1度
2) Japan Coma Scale1
4) AHA分類1度


[解説] Hugh-Jones分類は、呼吸困難の程度(息切れ)の分類で1度=正常、Japan Coma Scale1=「意識清明とはいえない」、意識清明は0である。NYHAもAHAも心疾患の存在が前提で、1度=日常生活動作で症状がでないだけである。Lown分類は心室性期外収縮の重症度分類で、1度=「心室性期外収縮に程度≦30/時間」、正常は0度「なし」である。


[正解] 1 [出典] Q新麻酔科学改訂第5版p10

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