■臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題■ 2017-01-11
【問題1】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (______y) : 萎縮 (2) (_______n) : 突然変異 (3) (b____) (t__________) (r_______) : 輸血副作用 (4) (p_______) (h__________) : 体位性低血圧 (5) (s___) (d_______) : 塩利尿 |
[解答]
(1)atrophy | (2)mutation |
(3)blood transfusion reaction | (4)postural hypotension |
(5)salt diuresis |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(外傷・出血・感染) アスピリン100mgを4週間投与されている患者がいる。どれくらいの期間で血小板凝集能が回復するか? | ||||
1) 4日 | 2) 7日 | 3) 10日 | 4) 14日 | 5) 2日 |
[解説] アスピリン投与→プロスタグランディン合成抑制→血小板凝集能の障害→出血傾向増強。アスピリン投与患者に部分麻酔を施行する場合、血腫形成の問題が無視できない。アスピリンを少量(40~100mg/日)、大量(500mg/日)を短期(1週間)、長期(4週間)投与した場合、いずれの場合も出血時間は3日で回復する。血小板凝集能は、これよりも回復が遅れ、小量の場合には長短にかかわらず4日目に、大量短期では5日目に、大量長期には7日目に正常化する。出血時間が正常化でも、血小板凝集に障害がないとはいえない。小児用バファリン=アスピリン81mg
[正解] 1 [出典] ANESTHESIA ANTENNA No15-p24
【問題3】(心臓手術の麻酔) 次のうち誤っているのはどれか。 | ア:Forrester らの血行動態分類でサブセット2における治療は利尿薬と血管拡張薬である。 イ:ニトログリセリンは静脈を拡張して前負荷を軽減する。 ウ:大動脈内バルーンパンピングは拡張期血圧を上昇させ、冠血流を改善し、後負荷を軽減させる。 エ:ニトログリセリンは虚血性心疾患患者で coronary steal 現象を起こす。 オ:大動脈内バルーンパンピングは、動脈圧波形の dicrotic notch 直前でバルーンを虚脱させ、拡張末期でバルーンを膨脹させる。 |
[解説] Forrester らの血行動態分類でサブセット2における治療は利尿薬と血管拡張薬である。ニトログリセリンは静脈を拡張して前負荷を軽減する。大動脈内バルーンパンピングは拡張期血圧を上昇させ、冠血流を改善し、後負荷を軽減させる。ニトログリセリンは冠循環の大きい伝導血管を拡張させ、しばしば虚血性心内膜下領域に対する冠血流量を増加させるので、通常 coronary steal 現象を起こさない。大動脈内バルーンパンピングは、動脈圧波形の dicrotic notch 直前でバルーンを膨らませ、拡張末期でバルーンを収縮させる。
[正解] (エ)、(オ) [出典] 第31回麻酔指導医認定筆記試験:B25
【問題4】(呼吸) 100%酸素吸入時の血液による酸素運搬のうち、Hb結合酸素は血漿溶存酸素の何倍程度か? | 1) 120~140倍 3) 12~14倍 5) ---- | 2) 6~7倍 4) 9~10倍 |
[解説] 溶存酸素=0.0031×PaO2(≒600~650)=1.86~2ml、これに対し、Hb結合酸素=1.36×Hb(=15)×SaO2(=100)=20mlであるので、約10倍ということになる。
[正解] 4 [出典] Q新麻酔科学改訂第5版p32
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