頸部周囲長と切歯間距離の比:頚椎症患者における喉頭鏡検査困難の新しい予測因子

・術前の気道評価は困難気道を予測するのに役立つ。著者らは喉頭鏡検査困難と頸部周囲長/切歯間距離比(RNIIG)との間に密接な関連が存在すると仮定した。著者らの目的は、頸椎症患者の喉頭鏡検査困難を予測する上での有用性を調査することであった。

・全身麻酔下で頸椎手術を受ける予定であった年齢 20-70 歳の患者 133 名を募集した。術前評価には、切歯間距離(IIG)、甲状切痕頤間距離(TMD)、頸部周囲長(NC)、NC/IIG 比(RNIIG)、NC/TMD 比(RNTMD)、修正 Mallampati 試験(MMT)を含めた。挿管中に Cormack-Lehane 尺度を評価した。麻酔科医は気道評価を知らされなかった。喉頭鏡検査困難を予測する RNIIG の能力を、確立された予測因子のそれと比較した。

・喉頭鏡検査困難の発生率は 16.4% であった。単変量解析では、性別が男性、年齢、体重、NC、RNIIG、RNTMD の増加、IIG と TMD の減少、MMT 3 と 4 が喉頭鏡検査困難との関連が示された。バイナリ多変量ロジスティック回帰分析は、喉頭鏡検査困難と独立して関連した唯一の因子、RNIIG のみを同定した。オッズ比と 95% 信頼区間(95%CI)は 1.932(1.504-2.482)であった。RNIIG(≧9.5)は、曲線下面積(0.80; 95%CI 0.73-0.86)が最大で、感度(88.6%; 95%CI 78.1-99.1)と陰性予測値(96.6%; 95%CI 94.0- 99.2)が最高で、その良好な予測能力が確認された。

・RNIIG は、高いレベルの有効性を有する新しい簡便な予測因子であり、麻酔科医が、頸椎症患者における喉頭鏡検査困難の管理のための計画を立てるのに役立つであろう。

[!]:「頸部周囲長が大きくなればなるほど喉頭展開が困難になる」、「切歯間距離が小さくなるほど困難になる」の両者をそれぞれ分母と分子において、一つの変数を作り出す方法は、麻酔(鎮痛・鎮静)薬の使用量を予測する「N 係数」と同じだ。
短くなるほど喉頭展開が難しくなる変数としては、「切歯間距離」、「甲状切痕頤間距離」、「胸骨切痕頤間距離」がある。これらを分母に、頸部周囲長を分子にすれば、いずれも大きくなればなるほど喉頭展開が難しくなる変数を作り出すことができる。

【出典】
Neck circumference to inter-incisor gap ratio: a new predictor of difficult laryngoscopy in cervical spondylosis patients
BMC AnesthesiologyBMC series ? open, inclusive and trusted201717:55

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