全膝関節形成術における局所浸潤鎮痛後の血漿ロピバカイン濃度:固定用量投与後の安全性調査

・本研究の主な目的は、主な鎮痛法として、局所浸潤鎮痛を伴う待機的全膝関節形成術を受ける患者で、ロピバカインの薬物動態を調査することであった。著者らはまた、術後 24 時間にわたる血漿ロピバカイン濃度の測定を通じて生化学的毒性の発生率を決定しようとした。

・これは、待機的全膝関節形成術を受ける 15 人の患者についての前向き観察研究であった。局所浸潤鎮痛は、ロピバカイン 300mg とエピネフリン 5μg/mL の標準化手法によって投与した。総ロピバカイン濃度は、タニケット解除 24 時間後に特定の時間間隔で採取し、液体クロマトグラフィー質量分析によって分析した。

・15 人の患者が試験に登録された。最高ロピバカイン濃度の中央値は 0.57μg/mL であり、範囲は 0.32~0.88μg/mL で、6~24 時間に発生した。最高濃度の重要な予測因子は、年齢(P=0.04)、体重(P=0.04)、クレアチニン(P=0.02)、性別が女性(P=0.03)であった。ロピバカイン濃度と時間プロットから得た曲線下面積の重要な予測因子は、年齢(P=0.02)、性別が女性(P=0.01)、ベースラインのα1 酸性糖タンパク質濃度(P=0.03)であった。

・最高ロピバカイン濃度は、全患者において毒性濃度(2.2μg/mL)以下であった。このピークは、脊柱管または末梢神経ブロックを受ける患者で以前に記載されたものよりも遅く発生し、6 時間から 24 時間の間に起こる。局所浸潤鎮痛を計画する際には、年齢、体重、腎機能が全身ロピバカイン濃度に及ぼす影響を考慮する必要がある。性別女性は以前はロピバカインの最高濃度に関連付けられていなかった要因である。

[!]:女性の方がロピバカイン濃度が上昇しやすいという事なのかな。

【出典】
Plasma Ropivacaine Concentrations Following Local Infiltration Analgesia in Total Knee Arthroplasty: A Pharmacokinetic Study to Determine Safety Following Fixed-Dose Administration
Reg Anesth Pain Med. 2018 May;43(4):347-351. doi: 10.1097/AAP.0000000000000727.

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