腹腔鏡下婦人科手術後の術後悪心嘔吐と早期回復の改善における静脈内リドカインの有効性

・術後嘔気嘔吐(PONV)は、術後の主要な合併症である。それは患者の術後回復に深刻な影響を及ぼす多数の有害転帰をきたす。本研究の目的は、腹腔鏡下婦人科手術後の PONV と回復の改善における静脈内リドカインの有効性を調査することであった。

・合計 40 人の患者を無作為に 2 群、L 群(リドカイン群)と C 群(対照群)に割り当てた。 群患者は手術を通してリドカインの静脈内投与を受け、C 群の患者は生食の注入Lを受けた。各患者のバイタルサイン、回復時間、抜管時間、レミフェンタニル投与量、最初の排尿時間と排便時間を記録した。手術後 PONV の発生率も記録した。患者の回復は、回復の質スコア(QoR-40)を使用して評価された。

・レミフェンタニルの総使用量は L 群の方が有意に低かった(P<0.05)。しかし、回復時間と抜管時間は C 群の方が短かった(P<0.05)。最初の排尿時間と排便時間は C 群の方が長かった(P<0.05)。L 群の平均動脈圧と心拍数は低く安定していた(P<0.05)。術後 6 時間で、PONV の発生率は C 群よりも L 群の方が有意に低かった(P<0.05)。C 群の QoR‐40 スコアは L 群と比較して術後 1 日と 3 日で有意に低かった(P<0.05)。

結論として、腹腔鏡下婦人科手術を受ける患者で、静脈内投与されたリドカインは、PONV を減少させ、早期回復に役立つ可能性がある。

POINTリドカインの術中投与は、PONV の低下と、術後回復の質を改善する可能性がある。
【出典】
Efficacy of intravenous lidocaine in improving post-operative nausea, vomiting and early recovery after laparoscopic gynaecological surgery.
Exp Ther Med. 2019 Jun;17(6):4723-4729. doi: 10.3892/etm.2019.7497. Epub 2019 Apr 17.

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック