小児におけるスガマデクスまたはネオスチグミンと術後の主要肺合併症の関連性

スガマデクス3.png・成人患者における最近のデータでは、筋弛緩(NMB)拮抗のためにネオスチグミンと比較してスガマデクスを使用すると、術後の複合肺合併症のリスクが有意に減少することが示された。小児における肺合併症は臨床的に重要であるにもかかわらず、これらの合併症のリスクにおける NMB 拮抗の役割を探る研究は、現在のところ存在しない。

・2016 年から 2020 年にわたる Pediatric Health Information System(PHIS)データセットを用いて、傾向スコアマッチによる後ろ向き研究を実施した。入院患者の待機的な心臓外科手術を受け、NMB 拮抗のためにネオスチグミンか、またはスガマデクスのいずれかを投与された年齢 18 歳未満の小児を調査した。主要評価項目は術後の主要肺合併症とし、術後肺炎または呼吸不全のいずれかを発症したことと定義した。

・33,819 人の小児を対象とし、そのうち 23,312人(68.9%)にネオスチグミン、10,507人(31.1%)にスガマデクスが投与された。傾向スコアマッチング(各群から 10,361 人をマッチング)の結果、NMB 拮抗薬と肺合併症の発生率との間に統計的に有意な関連を示すエビデンスは認められなかった(3.1% vs 3.1%; オッズ比[OR], 0.90; 95% 信頼区間[CI], 0.78〜1.05;P=0.19)。呼吸不全や肺炎などの個々の肺合併症は、NMB 拮抗薬の選択と統計的に関連はなかった。

NMB 拮抗薬の選択は、術後の主要な肺合併症の発生率に影響を与えないようである。手術の専門性、複雑な慢性疾患の有無、および麻酔法によって分類された部分患者集団にまたがって、今回の結果が適用されるかどうかを判断するには、さらなる研究が必要である。

小児は成人に比べて、筋弛緩薬の代謝が早いので、筋弛緩拮抗薬による回復の差が出にくいのではないだろうか。小児ではスガマデクスを使用すると、高価な薬なので、たくさん余ってしまってもったいない気はする。

【出典】
Association of Sugammadex or Neostigmine With Major Postoperative Pulmonary Complications in Children
Anesth Analg. 2022 Jan 12. doi: 10.1213/ANE.0000000000005872. Online ahead of print.

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