連続血糖測定により、大手術を受けるほとんどの糖尿病患者において周術期の低血糖が明らかになった:前向きコホート研究

血糖値測定.png・周術期の不十分な血糖コントロールは重篤な有害事象と関連するが、モニタリングは現在、定点での血糖測定に頼っており、血糖値変動を過小評価してしまう可能性がある。研究の目的は、糖尿病診療プロトコールを実施した診療科において、大手術中および術後に持続血糖モニタリング(CGM)で評価した低血糖および高血糖の頻度と期間を検討するである。

大手術を受ける糖尿病のない成人患者(A)または糖尿病患者[非インスリン治療 2 型(B)、インスリン治療 2 型(C)または 1 型(D)]に対し、間質液に電気化学センサーを搭載した CGM(Dexcom G6)で、手術中および術後 10 日までモニターを行った。患者および医療スタッフは CGM の値を盲式化し、ブドウ糖投与は標準的な糖尿病治療プロトコルに従った。術後 30 日の重篤な有害事象を記録した。主要評価項目は低血糖(ブドウ糖<70 mg/dL)の期間とした。

・70 名の患者を対象とし、観察期間の中央値は 4.0 日であった。CGM は観察時間の 96%(中央値)で記録された。1 日の低血糖時間の中央値は 2.5 分で、4 群間で有意差はなかった(A-D)。15 分以上の低血糖は全患者の 43%、1 型糖尿病患者の 70% に発現した。1 型糖尿病患者では、モニタリング時間の中央値で 40% が正常血糖範囲(70〜180 mg/dL)に、27% が高血糖範囲(250 mg/dL以上)にあった。低血糖および高血糖に先行する期間は、重篤な有害事象が発生した患者では、発生しなかった患者と比較して長い傾向があったが、これらは探索的な解析であった。

・周術期の糖尿病管理は計画的に行われていたが、低血糖と高血糖の持続期間が高い割合で認められ、特に糖尿病患者で顕著であった。


血糖値の持続モニタリングしてみると、糖尿病患者の術中術後には高率に低血糖をきたしていると。

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